内容説明
日本プロ野球史上最大の転換期となったセ・パ2リーグ分裂。昭和25年11月22日、神宮球場は初の日本シリーズに沸いた。日本野球の発展のために多くの者が思い描いた2リーグ制。だが、球団運営に思惑を示す経営者。正力松太郎追い落としを目論む読売首脳。引き抜き合戦に動揺する選手―。虚々実々の駆け引きの末に迎えた大改革と、そこを行き来した男たちの生き様を描く。
目次
1 第1球―昭和25年11月22日
2 BOZO―大正13年9月1日
3 先取点―日本シリーズ第1戦2回表
4 日米摩擦―昭和3年3月31日
5 三者凡退―日本シリーズ第1戦6回裏
6 プロ野球が死んだ日―昭和20年1月5日
7 1点差―日本シリーズ第1戦8回表
8 私は還ってきた―昭和21年9月22日
9 同点―日本シリーズ第1戦8回裏
10 ラッキーゾーン―昭和22年5月26日
11 暴走―日本シリーズ第1戦9回裏
12 社説―昭和24年5月7日
13 延長戦―日本シリーズ第1戦10回表
14 サンフランシスコ・シールス―昭和24年10月12日
15 勝ち越し点―日本シリーズ第1戦12回表
16 分裂―昭和24年11月26日
17 完投―日本シリーズ第1戦12回裏
18 余燼―昭和40年3月5日
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あんさん
11
先日読んだ『南海ホークスの70年』で触れられていた本。プロ野球黎明期の名投手若林忠志氏の歩みと、彼の最後の1勝となった二リーグ分裂後最初の日本シリーズ第一試合をからめて、プロ野球リーグの誕生からセ・パ両リーグ体制となるまでの物語。七色の変化球の若林氏がハワイ生まれの日系二世だったことは知らなかった。彼が米国の関係者との窓口になったことや、なにより「プロ野球」や「自由」や「契約」の概念を身につけていたことは、日本にとってとても幸運だった。2023/11/13
渋谷英男
0
若林忠志を軸とし日本シリーズ第1戦を描いており、セパ分裂を毎日側から書いているのは迫力があった。☆52016/12/21
naoto
0
野球本なのに、意外と読んだ人が少ないのにびっくり。小学生の頃、こういう昔の野球の話、読んだなぁと懐かしく読んだ。若林忠志を軸に、戦中・戦後、2リーグ制に至るまでを描く。若林にガイザー田中、ジミー堀尾…伝説の名前に久々に会えて、うれしい。2014/09/28