出版社内容情報
聖フランチェスコの遺体はどこに消えてしまったのか──。特異な能力を有する修道士ベネディクトと、金の亡者たる助祭ピエトロは、使命を帯びて訪れたアッシジで、大いなる謎に遭遇する。ふたりはさまざまな人々と出会いながら、その核心に迫ってゆく。そして物語は驚愕のラストへ。神と聖人に篤き祈りが捧げられた中世イタリア。絶賛を浴びた冒険譚にして信仰の根源を問う本格歴史ミステリ。
内容説明
聖フランチェスコの遺体はどこに消えてしまったのか―。特異な能力を有する修道士ベネディクトと、金の亡者たる助祭ピエトロは、使命を帯びて訪れたアッシジで、大いなる謎に遭遇する。ふたりはさまざまな人々と出会いながら、その核心に迫ってゆく。そして物語は驚愕のラストへ。神と聖人に驚き祈りが捧げられた中世イタリア。絶賛を浴びた冒険譚にして信仰の根源を問う本格歴史ミステリ。
著者等紹介
川添愛[カワゾエアイ]
1973(昭和48)年生れ。九州大学卒、同大大学院にて博士号取得。津田塾大学女性研究者支援センター特任准教授、国立情報学研究所社会共有知研究センター特任准教授などを経て、言語学や情報科学をテーマに著作活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅー
11
★★★著書を『言語学バーリトゥード』で知ったので小説を書いているとは意外である。しかも『薔薇の名前』や修道士カドフェル・シリーズ、修道女フィデルマ・シリーズを思わせる本格的な歴史ミステリである。中世のカトリック教会内の内輪もめが背景でマニアックな世界にも関わらず、読者への情報の提示の仕方がスマートなのでサクサク読めてしまう。よくある「お勉強したことを詰め込みました」的な小説ではなく、人物描写に絡めた自然な形で我々に当時のキリスト教界の様子を教えてくれるのだ。主人公の成長する姿も気持ちが良くて快作だと思う。2024/01/25
たかあき
5
中世教会物が好きなのと、推薦が佐藤賢一、高野秀行という好きな作家両名だったので購入。 これは面白かった。中世の外国を扱った作品ということで敷居は高いと思うがもっと多くの人に読んでもらいたい作品。ちなみに帯にある「特殊能力を持つ修道士と金の亡者たる助祭が謎に迫る」というのは、間違ってはいないがあっているかと言うと🤔なんかもっと他の書き方がなかったのかという気もする。 ちなみに当時の「破門」という事の重さはおそらく日本人というか現代人には理解出来ない部分なのでそこは注意が必要。2023/12/17
紅羽
4
消えた聖人の遺体、謎が謎を呼ぶ展開の先にある衝撃的な結末、結構踏み込んだ内容で驚きました。佐藤賢一さんの解説が興味深い内容で面白かったです。フランシスコ•ザビエルの遺体が生前と同様の姿で存在している事は知ってしまいたが、その遺体が聖遺物として、世界中バラバラに散っていた事は知りませんでした。2024/01/07
macky
4
☆☆☆☆☆ 久々にどハマり作品。たぶん何度でも読み返したい。2023/12/26
夏みかん
4
バディもの、キリスト教絡みのミステリーときて、面白くないわけがない!アニメ化してもウケると思う。私はピエトロが好き。でも、エリアを子安さんあたりが演じたら、それはそれでとても良いかも。しかし、仏教にしてもキリスト教にしても究極的には全て捨てることを求められるのが厳しい。2023/12/24