1 ~ 1件/全1件
- 評価
電子化待ちタイトル本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まさげ
17
標題買いした本でしたが、難しい内容でした。愛は与えるものではなく奪うものであることは発見でした。家庭、男女関係の考察は現在でも通用する、斬新な内容でした。2025/06/18
冬見
13
中盤まではなかなか内容を飲み込めず何度も読み返し、整理しながら読み進めた。この分量で3日かけたのは久しぶり。「愛」という言葉が与えられ、カナリヤの喩えが呈示されてからは一気に。「愛の表現は惜しみなく与えるだろう。然し愛の本体は惜しみなく奪うものだ。」ああ、そういうことだったのか。今ここから見れば、この本はなんと暗示的な一冊だろう。「思想は一つの実行である。私はそれを忘れてはならない。」この一文を見た瞬間、震えが走った。まるで呪いだ。鋭い理智が、頑なで偏った誠実が、彼を死へ誘った。そう思えてならない。2017/12/05
コスモス
8
彼が恋人と自殺したことを知ったときはなんで?と思った。けれど、禁欲的なキリスト教の生き方ではなく、彼の言う"個性"に従って生きるべきだという考えをこの本で知ったことで、少しだけその理由が理解できたかも。彼の考えに完全に賛成はできないけれど、文章は美しかった。2022/01/18
里馬
3
答えの無い問いほど面白いものはない。有島武郎版『人生論』はある解を提示しつつも悩ませ俯かせる。「凡てのよきものの上に饒かなる幸あれ。」2011/02/06
mkn 14th
0
素晴らしい本だった。人間の「本能」についての深い考察だった。有島が言う所の「愛」は、人間の本能であって私の普段の生活にも「愛」を見いだすことができる、非常に一般的な話をしているようにも思える。とても共感できるし、「奪う」という言葉のニュアンス、すなわち苦しさだったり辛さだったりするもの、も実に納得できるものだった。何度でも読みたい。素晴らしい良書だった。2016/01/14




