内容説明
芸者上がりと所帯を持った化粧品卸問屋の息子柳吉は、勘当され、家を出る。剃刀屋、関東煮屋、果物屋、カフェと転々と商売を変えるがちっとも長続きしない。こんな男になぜ蝶子は惚れるのか。たくましい大阪人の、他人には窺い知れない男と女の仲を描く『夫婦善哉』ほか、人間の切ない感情を見事に謳い上げた『木の都』など全6編。早世が惜しまれる織田作之助の代表短編小説集。
著者等紹介
織田作之助[オダサクノスケ]
1913‐1947。大阪市の仕出し屋の家に生れる。三高時代から文学に傾倒し、1937(昭和12)年に青山光二らと同人誌『海風』を創刊。自伝的小説「雨」を発表して注目される。’46年には当時の世俗を活写した短編「世相」で売れっ子となった。12月ヒロポンを打ちつつ「土曜夫人」を執筆中喀血し、翌年1月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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