内容説明
瑠璃子を思うようにできない荘田は、瑠璃子の味方をする先妻の子との諍いのさなか心臓発作で命を落とす。広大な荘田邸の主となった瑠璃子は、青年たちを集めてサロンを催すようになる。彼らを競わせ、虜にしてはぐらかし、破滅に追いやることで男たちへの復讐をくわだてる瑠璃子だったが―。令嬢から妖婦へとあやしく変貌するヒロインの姿に、虚飾のなかの愛の真実を描くロマン大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巻 物
7
瑠璃子は乙女を捨て妖婦へと身を染める。成金男・荘田への復讐はかなったが、欲の密に群がる男たちがある限り新たな野望は果てず、その身を黒く塗り重ねていく。 真底には「処女の初恋」を守りながら・・・2011/01/19
かよこ
6
面白かったぁ!下巻は止まらず一気読み。瑠璃子の正論に、思わず納得させられた。95年前に書かれたなんて信じられない。でも、共感できる部分はあれど、気品と教養と美しさとお金をせっかく手に入れたのに、それを復讐にかけてしまったのは残念でならない(>_<)2015/04/04
田中峰和
3
初恋の人と別れさせられた不幸な出来事が瑠璃子の人生を狂わせた。その張本人ともいえる荘田を死に追い込んで復讐を遂げたはずの瑠璃子だったが、未亡人となった後の行いが破天荒だった。その美しさと教養から上流階級の男たちを侍らせる。上巻で青木の事故死を看取った信一郎が再登場。彼も他の男同様、瑠璃子の魅力に翻弄される。大正時代にフェミニズムを主張する瑠璃子に対して、信一郎は男尊女卑の男だった。瑠璃子の魅力に翻弄される青木の弟に妙なアドバイスをして、瑠璃子と青木を破滅に追い込む。死ぬ間際、初恋の直也との再会が救い。2023/06/30
エビアン子
3
これは.....。面白すぎる。大衆文学なんだろうけど、現代の大衆文学と比べるには失礼だと思う。昼ドラなんだけれども、昼ドラにはもったいない。ただの拗れた恋愛ではなくて、瑠璃子の思いが重い。初恋の恋人と結婚して幸せになることが叶わなず、復讐の道を進む瑠璃子だけれども、きっといつか幸せになれると思っていたはず。解説が良いね。いつまでも色褪せず、読まれ続けてほしい。2022/11/07
z1000r
3
俗っぽい感はあるが、なるほどと思うところもあり、おもしろいので一気読み。ちなみに昼ドラと原作は内容が違うようだ。2018/05/04