内容説明
「蜘蛛の糸」や「鼻」の話、知っていますか?黒沢明監督の名画「羅生門」の原作も芥川です。35歳で自殺するまで、彼は短編小説の可能性に挑戦し、大正期の流行作家として活躍、芥川賞の名にもなったほど。毒気のある香りを放つ名文、古今東西の素材を使った技を味わってみませんか。
目次
超早わかり!芥川作品ナビ
10分で読む「要約」芥川龍之介
声に出して読みたい芥川龍之介
芥川を熟読する作家による熱烈エッセイ
評伝 芥川龍之介
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
501
文豪ナビシリーズ、太宰に続いて二作目。言葉選びの天才、どちらも女性が放っておかぬシュッとした男前、そして人生の終え方…とわたしにとっては常に太宰とごっちゃにしてしまう作家。ていうか、本名なんだ⁉️今回も芥川に影響を受けた著名作家さんたちの指南を受け、著作を読み進めていきたいと思う。代表作三十作品集をDLしてみたので、まずは馴染みある上高地が出てくるらしい「河童」あたりから。2023/09/24
ehirano1
96
こういう本があるのですね。ナビとしてホントに良くできていると思いましたが、ナビなので『マップ』があればもっと良いのに、と思いました。2019/08/17
kinkin
81
芥川作品、まだよんだことのない小説も多い、それも含めてプラス再読のための参考に読んだ。「杜子春」や「蜘蛛の糸」は小学生のころから馴染み深いが「羅生門」や「鼻」になると使われていることばも難しいところもあるので超早わかり!芥川作品ナビで予習して再読したい。阿刀田高さんの「ここから入ろう 短編小説の典型」はわかりやすくこれから読む人も、再読する人にも参考になると思う。まだ読んでいないなかで気になったのは「地獄変」。今まで読んだ中で好きなのは「魔術」「蜜柑」「トロッコ」2017/01/11
優希
53
改めて芥川は短文の料理人だと思いました。ファンとしてはこういう芥川の見方があるんだと新たな発見があります。2023/07/29
ばりぼー
47
おすすめコースは、児童文学もの「蜘蛛の糸・杜子春」→王朝もの「羅生門・鼻・芋粥」→ピリ辛風味「地獄変・藪の中」→文明開化もの「舞踏会」→「戯作三昧」→キリシタンもの「奉教人の死」→異世界もの「河童・歯車」→自伝的作品「或阿呆の一生」。原作の文学的香気を損なわない要約(木原武一)も、声に出して読みたい名場面の抜粋(斎藤孝)、「膨大な知識を凝縮・圧縮できた芥川。材料を自由自在に料理し、味付けするシェフのように彼は魔法の手を持っていた」とカリスマシェフに譬える評伝(島内景二)もお見事と言うほかありません。2017/06/01