内容説明
幼いわたしの前から、ある日突然、姿を消した父。成長したわたしは、父の人生をさかのぼって、四つの不思議な旅に出る。旅先の風景はいつしか幻想性を帯び、死者の霊がわたしを招く。追えば追うほどに、父の真実は遠ざかり、濃密な官能の匂いが立ち昇ってくる。時間と空間を超えた旅路の果てに待つものは…。著者によって、いつか書かれなければならなかった、きわめて個人的な物語。
著者等紹介
高樹のぶ子[タカギノブコ]
1946(昭和21)年、山口県生れ。東京女子大学短大卒。’84年、「光抱く友よ」で芥川賞を、’95(平成7)年、『水脈』で女流文学賞を、’99年、『透光の樹』で谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞
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