出版社内容情報
凶悪事件が長年起きていない佐紋署に、田添杏美副署長は異動した。だが赴任早々、山間部で殺人事件が発生した。おりしも隣接署で起きた事件で緊急配備の最中だった。ほぼ同時刻、港ではもう一つ事件が起きていた。被害者は、警官だった……。捜査に不慣れな署員もそれぞれの任務を果たしていくが再び事態は緊迫する! 危機の一瞬に警官の血が沸騰し、「それぞれの勲章」が熱く刻まれる傑作。
内容説明
凶悪事件が長年起きていない佐紋署に、田添杏美副署長は異動した。だが赴任早々、山間部で殺人事件が発生した。おりしも緊急配備の最中。ほぼ同時刻、さらに事件が発生。被害者は警官だった。初動捜査に当たるのは、父親の介護やシングルマザーなど様々な悩みを抱える警官たち。彼らの地道な働きは事件解明につながっていくが、事態は急転した!危機の一瞬に、名もなき警官の血が沸騰する傑作。
著者等紹介
松嶋智左[マツシマチサ]
元警察官、女性白バイ隊員。退職後小説を書きはじめ、2005(平成17)年に北日本文学賞、’06年に織田作之助賞を受賞。’17年、『虚の聖域 梓凪子の調査報告書』で島田荘司選ばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
125
シリーズ2作目です。前作で副署長としての役割にもかかわらず、以前からの署内の人物たちの悪行(殺人事件も含みますが)によって田舎の副署長の左遷させられます。今まであまり事件のなかったこの署でも事件が起こります。嵐を呼ぶ女という感じで、この田舎町では警察署協議会というのが幅を利かせています。また署長が病気になり署長代理としての役割を果たさねばなりません。過去のいきさつのある巡査部長とのやり取り、あるいは問題を抱えた部下とのやり取りなども大変そうです。細かいことまでよく書かれていると感じました。2024/12/02
タイ子
93
シリーズ第2弾。前作の署の不祥事の責任を取らされ小さな町に左遷された田添杏美副署長。はからずも署長が入院のため署長代理の立場に。凶悪事件の無い町に田添が赴任してきたとたん、殺人事件やら、警官が暴行を受ける事件が連続して起きる。嵐を呼ぶ副署長か。捜査に当たる警察官にも悩みや葛藤があり、それぞれに焦点を当てながら事件解明へと展開するストーリーに込められる意味が深い。捜査本部から来た一課の花野警部が、副署長の存在感を超えたりするので面白い。警察官の意地と矜持が見せる小さな町の大きな事件。続編を待つ!2021/06/13
ma-bo
86
女副署長シリーズ第2弾。前作で起こった署内で警察官が殺された事件の結果により、小規模な署への異動となった田添杏美。長年凶悪犯罪が起きてない地域で殺人事件が発生してしまう。「嵐を呼ぶ女」。作品としては謎解きよりも、様々な葛藤を持ちながら奮闘する脇役警官達の群像を楽しむ警察小説かな。前作で因縁のあった花野警部との関係の変化も。2023/04/06
さっこ
79
シリーズ第2弾、今作も面白かった。田添杏美が赴任した警察署は漁業と農業だけの小さな町。署長の入院により図らずも署長代理となった矢先に殺人事件が起き、警官が被害に遭う傷害事件などが重なっていく。シングルマザーや父親の介護に追われる巡査部長など、様々な悩みや葛藤を抱えた署員たち。地道な捜査を続けながら、小さな町の警察官たちの胸に去来するのはやはり警察官としての誇りと警察魂。最後は報われて本当に良かった。2021/06/15
papako
72
副署長田添杏美が帰ってきた!海岸線のある田舎佐紋署に飛ばされた杏美。昔の上司との再会、地元との密接な関係に驚いたり。そして赴任早々18年ぶりの殺人事件が!被害者は過去に大規模な詐欺事件を起こして服役していた。なぜ被害者は帰ってきたのか?犯人は?同時に起きた刑事致傷事件は?県警捜査一課に栄転したヒグマがやってきてまた同じ事件に向き合うことに。左遷先と言われる佐紋署の面々もいい味だしていた。犯人はクソだが、被害者の過去もやるせ無い。杏美の病院での一言が痛快です。また杏美とヒグマに会える日を楽しみにしています。2021/06/27