出版社内容情報
ナイスですねえ――。村西は、いわきから上京し、バーのボーイ、百科事典・英会話教材の販売、英会話学校経営等を通し、対面で人を口説くセールスの技術「応酬話法」を研ぎ澄ませていった。そして、ビニ本裏本の制作販売を経て、裸で駆け回った狂奔の季節を迎える。前科7犯、借金50億。80年代半ばから90年代初頭に君臨した「AVの帝王」村西とおるの半生とあの騒々しかった時代を描く傑作評伝。
内容説明
ナイスですねえ―。村西は、いわきから上京し、バーのボーイ、百科事典・英会話教材の販売、英会話学校経営等を通し、対面で人を口説くセールスの技術「応酬話法」を研ぎ澄ませていった。そして、ビニ本裏本の制作販売を経て、裸で駆け回った狂奔の季節を迎える。前科7犯、借金50億。80年代半ばから90年代初頭に君臨した「AVの帝王」村西とおるの半生とあの騒々しかった時代を描く傑作評伝。
著者等紹介
本橋信宏[モトハシノブヒロ]
1956(昭和31)年埼玉県生れ。ノンフィクション作家。早稲田大学政治経済学部卒業。ノンフィクション・小説・エッセイ・評論と幅広い活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
176
昭和の男なら誰もが知っている村西とおるさんの波乱万丈な人生をインタビューを巧みに織り交ぜて飽きさせない。ビニ本~AV創成期~バブル期の猥雑な空気感に満ちていて、エロに夢中だった青春時代が蘇るような錯覚に陥り、昭和~平成の裏歴史も学べた。村西さんの「諦めない」生き方には感銘を受けたし、お世話になったAV嬢たちを次々に思い出して懐かしい気持ちで胸が一杯。重箱の隅を突けば、村西夫人へのインタビューがなかったのが残念だが、破天荒で綺麗事だけじゃない、熱い男のドラマを堪能できた。アウトロー好きの人に薦めたい大労作!2021/06/30
スエ
116
分かります。分かります……。皆まで言うな、皆さまよ……。乙女なスエが勇気を振り絞ってレビュー致します。ええ、文庫を購入する際も恥じらいました。なにせ山田孝之がパンツ一丁の映画版特別仕様カバー!モジモジ。「前科七犯、借金五十億円」尋常じゃないでしょう!この肩書はッ!!更にはアメリカで370年の求刑ッ!!! 言葉の魔術師にして、人たらし。逮捕におののき桃源郷。「人呼んで昭和最後の恥知らず」←本人談。 すごい、すごすぎる。(十万石まんじゅうの節で)小さな悩みが吹っ飛ぶぜ!!2021/06/01
H!deking
107
泣きました。涙が止まりませんでした。言わずと知れたAVの帝王村西とおるの半生。俺も2回会社潰してて社会不適合者だけど、前科は無いし、借金も50億まではなかった。半端じゃないです、この人。死にたくなったら下を見ろ!俺がいる!ナイスです。2021/05/16
ウッディ
62
「ナイスですねぇ」で一世を風靡したAV監督村西とおるの波乱万丈な人生。故郷いわきでの貧乏生活と性のめざめ、英会話教材のNo.1セールスを達成したトーク力(応酬話法)を武器に、ビニ本の製作販売の後に、目を付けたのはアダルトビデオだった。今よりもずっと裸をさらすことへの抵抗が強かった時代に、熱意とトークで女性を口説き、自ら男優兼監督としてAVを量産し、一時代を築いた彼のバイタリティが、800頁を超える大作小説にぎっしりと詰まっていました。ハラスメントの概念もなかったあの頃、パワフルな時代が少し懐かしかった。2024/07/10
hatayan
43
AVの帝王と呼ばれた村西とおるの過激な半生に密着。どんな相手でも陥落させる応酬話法を村西監督とともに仕事した本橋信宏氏が濃密に再現。全盛期は一晩で5千万費消する一方、会社を潰して50億の借金。海外で懲役370年の刑を受ける一方、息子を最難関の小学校に合格させる。これだけ起伏に富んだ人生を送る人も稀でしょう。本書は新潮文庫での出版ですが、当世の男性であれば何らかの形で触れたであろう語彙を容赦なく浴びせてきます。800頁を超える分厚さに胸焼けを起こしながらも通読せずにはいられない、比類なき熱量ある一冊です。2021/05/17