新潮文庫
逃げていく街

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784101018256
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

テレビドラマ、小説、そして芝居―時代の感情と世代の心情を、鋭敏に誠実にすくいとった作品世界で、受け手をつねに揺さぶりつづけてきた著者。眼の前の街がときどき突如として自分の「死後」の風景に見えてしまうことがあるという。日常と非日常の間を振れながら生きていく人間を描いてきた著者が、1980年代後半からこれまで、書き留めずにはいられなかった、折々の心の景色52景。

目次

店の音
すき焼きの記憶
わが母校
大学のころ
私が小説を書き始めたころ
青春の一冊
妻への手紙
映画からテレビへ
土砂降りの女
監督木下恵介〔ほか〕

著者等紹介

山田太一[ヤマダタイチ]
1934(昭和9)年、東京・浅草生れ。大学卒業後、松竹大船撮影所演出部に入り、木下恵介のもとで助監督を務める。’65年独立、テレビドラマの脚本家となり、「男たちの旅路」「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」を始め、多くの名作を手掛ける。一方、作家としても活躍、『飛ぶ夢をしばらく見ない』(’85年)『異人たちとの夏』(’88年、山本周五郎賞)『恋の姿勢で』(’95年)などの作品がある。舞台脚本の分野でも、意欲作を次々に発表している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

団塊シニア

26
映画監督の木下恵介の影響を受け流れを汲んでる人であることが本書を読むと理解fできる。山田太一の本質がよくあらわれており、人間観察の鋭さ、人生観に言及してるところもあり20年以上前のエッセイであるが一読の価値がります。2013/06/18

おさむ

25
尊敬する山田さんのエッセイ集。人間の弱さや暗さを否定せず肯定する姿勢は終始一貫しています。「かつては以心伝心ですんだものが、言わなければわからない時代にますますなっている」など、得意のアフォリズムも健在です。そして、なによりも関川夏央さんのあとがきが見事。「山田太一は、怒濤のような日本の近代化に懐疑を抱き続けた木下恵介監督の流れを正統に汲む人である」。あの寺山修司と早大で同級生だったエピソードは初耳でした。2015/08/12

sabosashi

7
ほかのくににはいわゆるソープオペラなるものがあるのに、ニホンでいうところのホームドラマというものがあまり見当たらない。ニホンほど家族が崩壊しているくにはない、と断言してしまっていいものかあとで後悔しそうだが、とにかく家族のイメージが危ういニホンにおいてのこれだけのホームドラマの存在感はある種の感慨を抱かせるにちがいない。しかし山田太一が映画界で成功しなかったように映画とテレビではドラマツルギーがこれだけ異なっており、映画によって取りこぼれたものを山田はうまく手に収めたのだとも言えそうだ。味読させてもらった2014/02/28

rakim

7
多分に覚書、日記のようなエッセイ。アナログっぽい時代背景を感じますが、それだけに丁寧に時間を切り取って脚本を書かれた山田さんの姿勢が見える感じがします。2013/02/15

Yoko Oishi

1
山田太一のエッセイ。 自身の作品に触れたものもありなかなか楽しめた。 エッセイ自体は古いものだけど、今に通じると 感じることも多数あり。 また、山田節炸裂の作品(特に映像)に触れたいなぁと思った。2013/06/18

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