新潮文庫<br> いつもの雑踏いつもの場所で

新潮文庫
いつもの雑踏いつもの場所で

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 243p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784101018126
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

雑踏の中で耳にする、人々のさりげない会話が好きだ。目を伏せながら、真摯な思いを伝えようとしたK子さん。異国の街で、「よしなさい」と声をかけてきた小柄な老人、タクシーの運転手たちの会話…。普段着の町で、旅先が、そして、友人たちとの語らいの中で、心に焼き付いたシーンの一コマ一コマを澄明な文章で描いたエッセイ44編、名セリフ集と掌編シナリオの「声の劇場」付き。

目次

K子さん
なにが老人を救うか?
他人の生活
突然の来訪
田舎町のポルノ
教授との旅
無趣味についての弁解
夫もあぶない今年
ザラにある話
キッカケの男
タクシー体験
笠智衆さん
向田さんのこと
中学生のころ
デッキチェアと白樺
見えない東京
私の好きな言葉
抜き書きのすすめ
好きなもの見つけよう
因果応報
『オーケストラの少女』はひどい映画か?枝葉の魅力
映画とテレビのあいだ
性格描写の行方〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねりわさび

90
1985年に発表されたエッセイ集。自身による生い立ち、制作スタイル、日々思うことなどを短編の形で収録。少年期のよもやま話や、各種脚本から抜粋したセリフのみで構成された「声の劇場」など読みどころは多い。当時の昭和の雰囲気描写も面白かったですね。2024/12/20

ネギっ子gen

46
【「愛は破れても親切は勝つ」(カート・ヴォネガット):著者の好きな言葉】<他人を愛さなければならないというのは、自分には荷が重いが、親切だったら努力すれば出来るのではないか、他人に対して寛大だったり、やさしかったり、礼儀正しかったりそんなことだったら出来るのではないか、というのです。人間について、愛について、深い、体験をして来たリアリストの言として胸を打たれました>と著者はこの短文を結ぶ。当時「人は本当の意味で愛せるか」との疑念の渦に深く沈潜していたわたしにとっては、救われたような思いがした記述だった……2019/10/10

団塊シニア

22
30年前の作品であるが筆者のシナリオに賭ける思いが伝わってくるエッセイである。他人事と思わせないドラマ、現実を反映させればいい、それだけで意味があるといってる筆者の言葉には共感できる。2013/05/13

今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン

13
読友さんのレビューに惹かれて。2023/02/16

ぶうたん

10
35年前に刊行された3冊目のエッセイ集とのことである。中で印象に残ったのは、著者が医者の友人に「何年たつと患者の死が平気になるのか」とうっかり問いかけて「平気になどなれるか」と激怒されるエピソードと、ヴォネガットの言葉について触れた一篇。後者は愛することはできなくても親切にすることはできるのではないか、寛大になることはできるのではないか、と言うことだが、自粛警察だの他人を責めることしかしない厭なことばかりがまかり通る昨今の状況を鑑みて胸に響いた。次は小説は読みたい。2020/05/14

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/27984
  • ご注意事項

最近チェックした商品