出版社内容情報
戦国武将富田信高が移封させられた伊勢国。そこはしたたかな商人や地侍が根を張る、一筋縄でいかぬ土地。信高は穏やかな気性と慧眼で治世を進め、領民の声を聞き、新田開発に乗り出し、胆力のある蓼姫も娶った。だが時は大乱前夜。城に迫りくる毛利・吉川の大軍に対峙するのは、挙国一致の富田勢。孤軍奮闘する信高の前に、馬上の「若武者」が現れた。異色な大名と知られざる夫婦の戦を描く傑作。
【目次】
内容説明
戦国武将富田信高が移封させられた伊勢国。そこはしたたかな商人や地侍が根を張る、一筋縄でいかぬ土地。信高は穏やかな気性と慧眼で治世を進め、領民の声を聞き、新田開発に乗り出し、胆力のある蓼姫も娶った。だが時は大乱前夜。城に迫りくる毛利・吉川の大軍に対峙するのは、挙国一致の富田勢。孤軍奮闘する信高の前に、馬上の「若武者」が現れた。異色な大名と知られざる夫婦の戦を描く傑作。
著者等紹介
近衛龍春[コノエタツハル]
1964(昭和39)年生れ。大学卒業後、オートバイレースに没頭。通信会社勤務、フリーライターを経て『時空の覇王』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Wan-Nyans
19
★★★★面白かった。伊勢・安濃津という小国の大名でありながら、毛利、吉川、長宗我部など名だたる西軍の大名と戦った夫婦の物語。領国経営においては小国ならではの家臣・領民や地侍まで近しくも一体感のある関係性が爽快だった。でも安濃津がなぜ今の地名になったのかは自分は知らない…。2025/11/24
coldsurgeon
8
物語として初めて知る歴史があり、それにより、歴史時代小説を読むことが好きだ。関ケ原の戦いの直前に、三重・安濃津の城主となった富田信高とその室・蓼姫との物語である。関ケ原の戦い前哨戦において、毛利勢に包囲された安濃津城に籠城し戦い、蓼姫は一度は騎馬武者として場内での戦いに加わり、夫を助ける武功を果たした。凛々しい姿を思い浮かせる。歴史のほんの一部であろうが、新たな知識となり、別の視点を得ることができた。2025/11/19
Moish
4
富田信高。名前を聞いたことのない戦国大名だったが、なんとなく興味をもって手に取ったらびっくり。晩年は我が故郷・磐城で蟄居していたという縁あり。歴史小説としては長くなく、楽しく読めたけれど、まとまりと盛り上がりに欠けている。信高にも魅力を感じないし、奥方の蓼姫の活躍も唐突。もっと、安濃津(現在の津)の治世や、蓼姫の性格描写を丹念にしてほしかった。冒頭に晩年のワンシーンを持ってきたのも謎。それにしても、彼のような地元の英雄的な歴史上の人物は、小説の素材として発掘されずに、まだまだ埋まっているんだろうな。。。2025/10/18
好奇心
0
富田一白・信高親子は、一般に知られた有名武将ではないが、父は秀吉の奉行衆の一人だった、後継の信高は、関ケ原では、家康につき安濃津城の戦いで、三成方の攻撃で籠城で守り通し功績により、初代宇和島藩主となった、真に伊勢の関ケ原だっのではないか、富田家にとっては、名の知らぬ名将はたくさんいたのではないか?2025/11/24




