内容説明
許されて牢を出たものの、裸で城下を走った時に傷の手当をしてくれた謎の薬売りが囁いた言葉「みまさかのおさばき、たのみます」が、新吾は気にかかって仕方ない。ヨボヨボという名の囚人のことも忘れられない。そんなある日、新吾の父が死に、残された覚書から「みまさか」事件の全貌が明らかになっていく…。様々な人が織りなす光と影の中で成長する新吾の青春を描く感動の長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
無識者
10
上巻で出された様々な謎、冤罪のこと、父に向けられた裁き、牢にいた高身分であるはずの侍...それらが回収されていく。子供は親と別種の存在であると示す行動としては時には激しい暴力を伴ってしまうこともある。またそれらの個人の問題は個人で解消してしまえるものでもない。「個人的なことは政治的なこと」なんてことばがあるが、その里がどのようにして成り立っているのか、里の存続のために人が犠牲になってしまっていることを知ってしまう。結局主人公をはじめとした少年少女は将来像を見いだせなかったが、暗闇を知って大きく成長した。2017/08/16
bino
0
すごい面白い^^ 2010/10/18