出版社内容情報
いつの間にか、戦争は始まった
1933年、それは日本が国際連盟を脱退し、ドイツではナチスが政権を握った年。
ひとりの売れない漫画家・白鼻進(はくびしん)は、人生最大の賭けに出た。
『のらくろ上等兵』をパロッた『ぶちねこ四等水兵』という漫画で大ヒットを作り出そうという彼の野心は、
戦争への予感が色濃くなった時代にマッチしてし、
誰も想像し得なかった地位へと彼を連れて行くが…
第21回文化庁メディア芸術祭のマンガ部門新人賞を受賞した『バクちゃん』、「このマンガがすごい!2023」オンナ編にランクインした『花四段といっしょ』の著者が、戦時中を舞台に漫画家の業を描くフィクション。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たけのこ
3
いやーわたしは増村先生をなめていた。すばらしかったです。1話から話題だったので、その時に1話は読んだのですが、正直、こんな場所に着地する物語だとは予想もしていませんでした。2026/07/05
s_s
3
昭和初期の東京、鳴かず飛ばずの漫画家・甘神白鼻進は、田河水泡『のらくろ上等兵』の革新的な表現技法に感服し、殆どパロディ作品となる『ぶちねこ四等水兵』を出版する。発売前から様々な宣伝を行い、販促路線を変更し、老若男女問わず支持される、熱狂の中心のような作品へと変化していく。「漫画で人の心もやがて世界も変える」、当初は婚約者からも応援されるような素敵な理想を持っていた彼が、文字通り「漫画地獄」に堕ちていく様を、その傾倒ぶりとともに描いている。たかが漫画、されど漫画。創作物の役割と責任について考えさせられた。2026/07/04
室田 尚子
2
昭和初期〜戦中にかけて活躍した漫画家、という設定の白鼻進。第1話は1933年で、欧州ではナチスが政権を取った年の日本の空気、そこに現代のインフルエンサーさながらの人物を登場させることで、「現代」と「あの時代」が見事に重なることを示す手腕がすごい。そしてこの作品を今、発表する増村十七のセンスに脱帽する。今のこの国で右傾化に狂奔している人間が噛み締めるべきラストシーンは秀逸。2026/07/02




