出版社内容情報
押見修造に、幻滅せよ。
『惡の華』『血の轍』の鬼才、戦慄の回顧録。
これは、兄弟の話なのか。
それとも、漫画に生かされた、ある男の自省なのか。
己の本性を抉り抜く、容赦ない回顧。
その先に待つのは――
【編集担当からのおすすめ情報】
累計280万部のヒットを記録した、”ママ”という毒に侵された息子の人生を描いた『血の轍』。
次に押見修造氏が描いたのは、今まで一度も描いたことのない「弟」と、「ぼく」の話でした。
「作家とは、ここまで描かないといけないのか?」という慄れを抱いた回顧録、ご一読いただけると幸いです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
水槽
5
押見修造という人は、この作品を描く事で何を私達に示したいのだろうか。もしかすると、自身の回顧録を漫画として描きたいだけなのかもしれない。読者によっては自己満足に捉えるかもしれない。ここで読む事を止めるかもしれない。けれど、自分は続きが読みたいと思った。押見修造という人を知りたいと思った。でも、それは覚悟がいる。それぐらい、ここに描かれている回顧は、重い。2025/07/01
オジャオジャ
2
押見修造作品で過去一で赤裸々で切実な気合いの入ったマンガやなと。いつにも増して鬱々として殺伐として逃げ場の無い悔恨と恨みの渦の最中で自分自身を傷付けるように切り売りしてマンガを描いているような気がして鳥肌が立つ。作品としてはめちゃくちゃ面白いがまるで作者の遺書のようなマンガに感じられたのでこのマンガを描き終えたら押見さんマンガ家を引退してしまうんじゃないか?と勝手に心配になってしまう。2025/08/13
yom
2
私小説のような自伝的要素が強い作品。過去作品のモチーフは作者の経験に基づいたものが多かったとよく分かる。特に『血の轍』はかなり押見さん自身の話だったんだな。この作品はさらにフィクションの要素を削いだ回顧録。弟との関係に焦点があたるらしく、何やら悔恨の気配がぷんぷんする。2025/06/01
Yuuki
1
簡単な言葉でわかるとか、共感するとか言えないし、他人が他人を真からわかることなんてないけれど、あの家の感じ、兄弟の感じ、兄の目線、なぜこんなにもリアルにあのまま描けるのか。2025/08/16
。
0
漫画を描くこで生き、同時に殺されている。面白すぎた。感情、というか、その瞬間のにおいとか、音とか、緊張感?空気感?とにかくその時間、空間に内包されたすべてが生々しくダイレクトに自分の中に流れ込んでくる。ネームうますぎて勉強にならない2025/08/19