出版社内容情報
「これを描かなければ、人生終われません」
これまで数多くの「家族」をテーマにした、ほのぼのエッセイ漫画を手がけてきた。しかし実は、今まで一度も作品に登場させたことのなかった兄がいた。
それは、実家に30年もの間引きこもる兄。そしてその引きこもりのきっかけを作ったのは、他でもない自分だった――。
兄に関わりたくない一方で、荒廃した実家に肉親を放置する罪悪感に苛まれる日々。親を失ってからも延々続く兄弟間の家族問題を、静かに生々しく描く。
「これを描かなければ、人生終われません」――著者自身がそう語る、宮川サトシの新境地。
第1回「スペリオールドキュメントコミック大賞」大賞受賞作品。
【編集担当からのおすすめ情報】
ノンフィクション作家・石井光太氏、漫画家・押見修造氏、「街録ch」ディレクター・三谷三四郎氏を審査員に迎えて行われた「第1回 スペリオールドキュメントコミック大賞」(2024年)で、多数の応募作の中から、見事大賞に選ばれた話題作です。連載中からSNSでも大反響を呼んだ衝撃作、どうぞご期待ください!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
20
冒頭50ページほどを試し読みしました。 これもある意味、極めて今の日本っぽい話です。主人公の作者より15歳年上の兄は実家で30年間、ずっと引きこもってしまっているようです。 これ、描くだけでも勇気が必要だったでしょうね……。2025/03/13
Mr.deep
3
頑張って甥姪相手にいい伯父さんやろうとしてるところとか、見捨てきれずに二人だけで数分だけのドライブとかめっちゃリアルな感じで冷や汗が出た。「長男さん」って突き放した呼び方にすべてが詰まってる気がする2025/03/08
ネタバレ:トキメキのあまり展開してしまう存在しない記憶たち
1
読みながらこう……うぐぅぎょぎょぎょみたいな感覚がした。幸せについて0・100の考え方をしてるって自覚的に書いてるけども、それはそれで普通に怖いな。 長男も何かが違えばもっと変わっていたのだろうか。物心ついたときには完成されたそれがいるっていう状況、幸いにも自分には無い経験だから興味深く読める。それと同時に全く経験したことないのにリアルさを感じる描写がうまい。何かが破裂したらしいあたりのおぞましさすげ2025/04/26
yom
1
ギャグのない『住みにごり』というか、解決の目途がない滞納せざるをえない家族問題という意味で同一の、同時代的なテーマの作品。卑屈がこじれて加害者と被害者どちらも自分みたいな雁字搦めの引きこもりが解像度高くてクラクラくる。「名前にのない病気」は兄というより一家の持病、主人公の家庭にも影響を及ぼしうる雰囲気が不穏。どこに向かうんだろうか。傑作になりうる気配。2025/04/26
CEJZ_
1
2025年刊。引きこもりの兄をとりまくドキュメントコミック。『母を亡くした時、〜〜』というコミックエッセイ作品を読んで感銘を受けたので、宮川サトシというマンガ家の名は覚えておいた。今作は家族のことを描いているが、先がどうなるのかわからないクラさだ。ピンポイントでこの本を買いに行ったが、帯コメと背表紙の押見修造の名が、宮川サトシよりデカ過ぎて、ちょっとガッカリだった。一瞬、押見修造の作品だったっけ?作者は誰なんだ?と錯覚した。宮川サトシの描くマンガを読みたいから。2025/03/10
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