出版社内容情報
学生時代の忘れ得ぬ女性が殺人者に…!?
小説家として成功した男には、忘れ得ぬ学生時代の一夜があった。
30年後、その相手を殺人事件の容疑者としてTVニュースに見た。
なぜ彼女は罪を犯したのか…表題作「悲しき星の下に」。
定年退職した冴えない男は、昔捨てた女性が建築家として
活躍していると知る。
あの時彼女を選んでいれば…そう願った男がとあるスナックに立ち寄ると…
その扉は「あの頃」に繋がっていて…
人生やり直しファンタジー「星春の蹉跌」。
謎めいた義母への慕情を抱く男が知る真実…
「星寂の館」。
全3編を収録!
【編集担当からのおすすめ情報】
年を重ねたからこそある「あの頃」、
年を重ねたからこそある「いま」。
人生を見つめて、「いま」を愛おしむ珠玉の3編です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
27
私は作者の弘兼憲史さんのファンです。特に『人間交差点』が好きで、今でも読んでいます。この『黄昏流星群』は連載が始まった時によく読んでいました。中年の男女の恋愛をほろ苦く描い作品です。本書では「悲しき星の下に」が良くて、泣きました。学生運動が盛んな時に知り合った二人。作家になった男は、昔の彼女が殺人で逮捕されたことを知ります。彼は刑務所に面会に行くのですが……。悲し過ぎる結末で胸が詰まります。これも一つの恋愛の形だと思いました。2024/10/07
ぐうぐう
18
当たりの巻。収録作3編、どれもが面白い。「悲しき星の下に」は、辛すぎるエンディングが悲しみを誘うが、1969年の学生運動時に出会った二人という設定が、ラストの苦さに説得力をもたらせている。時々登場する寓話としてのエピソードで読ませる「星春の蹉跌」は、因果応報の展開のその先を照らすことで意外な明るさを抱かせる。「星寂の館」も意外な結末で驚かされるが、男女の恋情だけに終わらず、父と子の確執をも解すという懐の深い内容となっているのがいい。2024/10/11
fumikaze
2
環境やパートナーが変わっても、結局人生を動かすのは周囲の人間ではなく自分自身[星春の蹉跌]2025/06/11
すうさん
1
本書は2話の短編。前半はいまいちだったが、後半はタイムスリップなどするものの面白いストーリーだった。読書メーターの他の人の感想にもあったが、本書は「あたり」である。70巻をこえる短編集なので確かに当たりはずれはある。私も「黄昏流星群」シリーズをよみはじめて10年くらいになると思うが、主人公たちの年齢や境遇に追い付いてきた。だからこそ起こってくる出来事の不条理さや、彼らの気持ちが良く理解できる。決して老いらく恋愛が良いとは思わないが、そうなってしまう人生や恋愛は否定できない。まだまだこのシリーズは楽しめる。2024/12/10
kazu2i
1
42024/11/07
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