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出版社内容情報
松本大洋の到達点、ここに完結!
もう一度、雑誌を創りたいと
編集者は奔走する。
もう一度、漫画を創りたいと
漫画家は苦悶する。
そして、我々は見つける。
人生の喜びは、どこにあったのか
という、生きる道しるべを。
【編集担当からのおすすめ情報】
『ルーヴルの猫』で米国アイズナー賞を受賞し、世界中で評価が高まる松本大洋。彼が初めて語った創作哲学は、漫画界だけでなく、ものづくりに関わる全ての人々にとって、人生の讃美歌となる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミエル
46
前巻の余韻に浸ったまま、Amazonすら待てずに飛び込んだ書店で3巻購入。塩澤さんを中心に、漫画というツールが迷い立ち止まる人たちを動かすストーリーは変わらず。いろんな形の優しさが溢れて広がり溢れる展開に没入する。個性の光る漫画家たちにはモデルがいるんだろうか… 長作&長作娘が二人で悩みや弱みの秘密を共有しながら、元妻(母)を思いやる姿のが切なくて愛おしい。家族は離れていてもなんやかんやと気にかけ合うもの、これは私も歳をとって肌感覚で理解できたこと。ありがたくて心強い。2024/06/17
天の川
44
終わってしまった…。創造する者の業が強く迫ってくる作品だった。もだえ苦しんでも自分の思う形が掴めず自分を追い詰める者、世の中から忘れ去られても再びペンを取る者…彼らを支える編集者。そんな中、そつなくこなしていた現場を去る者もおり、出版社は発行部数や人気に縛られ、町の本屋は閉店に追い込まれているのも現実だ。長いスランプを脱した長作の傘、納得のいく雑誌を出すために出版社を立ち上げた塩沢さんの傘、表紙で描かれた傘は、嵐の中で苦闘した彼らに陽が射したことを表しているのだろうか。2023/11/07
阿部義彦
32
とうとう完結。出たばかりなので、読んだ後の楽しみな人も沢山いるでしょうから詳しい内容にはあまり触れません。表紙が1が小鳥2が林檎と来て3は傘だけ!これだけでも如何に定石破りなのが分かって頂けると思います。塩澤さんと長作との友情を縦糸にその他の忘れ去られた漫画家を横軸に青臭すぎる文化祭を再び行おうとする塩澤さん、小鳥たちは何と告げるのか?後は買って読んでください、としか言えません。後悔はしないと思います。2023/10/31
ぐうぐう
25
街が丁寧に描かれる。その街の絵には、必ずと言っていいほど音が添えられている。車の、クラクションの、電車の、携帯の、カラスの、風の、それらのノイズはまさしく人がそこで暮らし、生きている証しだ。「ヒゴロヨリイデテ ヒゴロニカエル」漫画雑誌を創るため、塩澤は街を歩き、漫画家達に会う。漫画家達はそれぞれの苦悩を抱え、漫画を創ろうともがく。塩澤が、漫画家達が気付いたように、この漫画を読む読者も気付く。「創造する苦難の中に…その道程にこそ、喜びがあったのだと」(つづく)2023/11/05
Bo-he-mian
23
2巻を読んだのは大分前だったので、この3巻で完結だと知って、一応2巻から借りて読んだんだけど、やっぱり1巻から読み直すべきだったと後悔。青木が主役に近いのかと思っていたら、3巻は長作が重要な位置づけになっていた。もちろん彼らの中心にいるのは、編集者の塩澤なのだが。デジタル化、コンテンツビジネス化の加速で表現がどんどんテンプレ化し、使い捨て文化へなだれ込んでゆく時代に、表現とは何か、プロとして生きてゆく事は何か、答えのない問いと格闘し続ける人々の物語。正解のない群像劇。あがき続ける人々の心に寄り添う名作。2024/03/24
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