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出版社内容情報
怪異、続々発生!今、ヒーローが問われる!
“あれ”に変身した藍羽(あいば)ユヒトの謎を追う実相寺(じっそうじ)たち。他方、各地では怪死、集団失踪などの事件が発生していた。
「災害」ならばレスキュー隊。「犯罪」ならば警察が対処する。だが、災害でも犯罪でもない、誰も信じてくれない「怪異」は誰が対処するのか。それこそ自分が立ち向かうものではないか、ヒーローとしてーー。
怪異に迫る実相寺たちの前に現れたのはーー!?
「このマンガがすごい!2023」オトコ編5位!「マンガ大賞2023」9位ランクインの超話題作!
『寄生獣』『ヒストリエ』の岩明均氏、絶賛!
「一見、日常かと思わせる中の、殺気と凄味が魅力。で、物語のその先は、見当もつかない。もう!魅力。」
【編集担当からのおすすめ情報】
怪人か?それとも別の何者か?他では絶対見られない怪異が続々と出現します。それらにヒーローはどう対処するのか。山口氏独自の感性と視点で描かれる新・ヒーロー譚!ぜひお試し下さい!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
20
不穏が具体化し、その姿を現わす。「誰かにはめられた仮面は“檻”だけど、自分で選んだ仮面は“砦”」特撮ヒーロー「ハチカズキダブルオー」の主題歌の一節。あるいは、実相寺のモノローグ。「この世界には時折 怪異が発生している。でもそれは大衆受けする事件に上書きされ、解決しないまま記憶の彼方に押しやられてしまう」人がそうであるように、社会もまた仮面を被る。そして人を、世間を偽るため、人間の皮という仮面を被る者が登場する。この逆説よ。逆説で言えば、実相寺達もまた、逆説の産物だ。(つづく)2023/11/18
コリエル
10
怪人という劇しい光に触れた特技研の面々が、少しずつ東京に集い動き始める。追い求めていたものと遭遇したとき、実相寺の心はどのように動くのかというところが気になるが、その答えが出る前に死地を乗り越えないとな。2023/10/30
ぷほは
7
どんな鳥も、想像力より高くは飛べない。どんなCGも、現実の特撮より生々しくはならない。どんなAIも、生身の人間の愚かさには到達できない。そこには劇しさが足りない。劇しさとは、自己超越ということだ。「ない」ものを「ある」よう魅せかける業の中に、日常生活の中で非日常に備え続ける姿勢の中に、「リアルである」ことよりも「リアルになりにいく」ことの尊さの中に、常におのれを越えていこうとするドラマがある。そのドラマにも、歴史がある。歴史の中に、読者がいる。読者が目にするものの中に、劇画がある。劇画の中に、感動がある。2023/10/31
プロムナード
6
「変身」と呼んで過言ではない。などというナレーションがそもそも狂気じみていて素晴らしすぎる。ついに「本番」が始まったという声も多いが、劇光仮面は「非常時のヒーローとは平時の狂人である」という話であって、1巻からずっと「本番」だと理解しています。2023/11/12
笠
4
4.5 新刊読了。ついに日常を怪異が侵食し、目撃した実相寺らは怪異の正体をつきとめるために調査に乗り出す。「行き過ぎたヒーローごっこ」でしかなかった特美研が、本物の怪人と対峙して本物のヒーローになる。実相寺にとっては心の奥底で待ち続けていた瞬間が訪れたわけだが、同時に命の危機でもある。ここまでじっくりとリアルな現代社会を描いてきた中で、怪人をどう作品に落とし込んでいくのか物語以上の興味がある。藍羽が「人雷」と化してしまった原因が脚に刺さっていた陶片にあるのなら、マリエッティにも哀れな末路が待っているのか。2023/11/15