出版社内容情報
『テセウスの船』作者の本格医療ドラマ!
我々医師は、
常に「最悪の状態」を
想定しなければいけない――
小児外科医の兄・英樹と共に、
父の小児病院で本格的に働き始めた真心。
患者への応対はもちろん、
根本的な“医師としての哲学”も正反対な
英樹の姿に戸惑う真心。
そんな中、真心がこの病院で働くきっかけにもなった
小児白血病の患者・ともりんが病院を抜け出す事件が発生。
彼女を巡り、鈴懸家の確執も、大きく動き始める――。
【編集担当からのおすすめ情報】
患者への“心のケア”も医師の重要な仕事だと考える真心。
病を治すことだけに、医師は専念するべきだと考える英樹。
今集では、ともりんを通じて、この二人の“医師としての哲学”が
ぶつかり合います。
患者を助けたい--その気持ちは同じだからこそ、
激しくぶつかる二人の姿、そして、より浮き彫りになっていく
鈴懸家の母を巡る過去・確執が描かれています。
ぜひ注目してください。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
なっぱaaua
30
今巻は木田朋美ちゃんの話中心。手術をしない方針の真心と小児外科医である兄・英樹と意見が割れる。難しいなぁ。正解が無い故にどうすればベターかが判断しにくいよね。「最悪の事態」を想定しなければならないは全くその通りだと思うが、小児科医は子供たちの気持ちを汲まなければならない難しさがあるよね。白血病は以前は難しい病気だったけど、池江璃花子さんによって対処の方法が分かりつつある。なんとか手術がうまくいって朋美ちゃんがピアノが弾けるようなるといいな。2021/12/14
TaHi
9
真心と兄との治療方針の対立は緊迫感があり引き込まれた。対立しながらも根底にある患者を救いたいという信念が一致している事が明らかになるところでとても感銘を受けた。また、14歳の患者ともりんの揺れ動く心情の描写にも感情移入させられた。物語であるとはいえ、人間の素晴らしさに改めて深い感動を覚えた。2022/04/05
かなっち
7
今回は1冊丸々、白血病の少女のお話です。前向きに病気と闘う少女の強さに胸を打たれつつ、ここでも明らかになる兄弟間の確執が気になります。患者を治したいという思いは一緒なのに、事あるごとに対立して。お互いの患者との関わり方が気に喰わないのはしょうがないけど、自分の主治医がこうだったらイヤですね…。そして、なるべくなら手術は遠慮したいです…。それはさておき、次巻の予告が非常に気になる(手術の行方や鈴懸家の歴史etc)ので、5巻の発売が待ち切れません!!2022/01/08
花桃
6
思春期の朋美ちゃんは、自分の身体よりもっと大切な事がある年ごろです。命を大切にして欲しいのに、悲しいけど無茶をしてしまいます。手術を受けることになりオペ開始で4巻おしまい。5巻は来年1/28。待ち遠しいです。真子先生のサンダルが凄く可愛かったです。2021/12/11
笠
5
3.5 新刊読了。白血病の朋子ちゃんの淡い恋愛と、合併症の併発。そして手術をするか否かの判断。患者が子供である以上、心のケアも医師の仕事の範疇であると考える真心と、患者に入れ込みすぎると私情が入って正常な診断や治療ができなくなると反対する英樹。どちらの言い分も正しく、結局程度問題じゃないかなぁという気がする。そして、患者の心のケアをすることと、医師自身が入れ込み過ぎないことは両立できるんじゃないか?とも。『フラジャイル』でも今似たようなテーマをやってるけど、熱心な医師ほど潰れてくって事態は避けたいよな。2021/12/11