出版社内容情報
いつでも決断の刻は突然訪れる。そして。
バデーニの計画実行のため、何より「感動」を守るため、オクジーは異端審問官・ノヴァクとの死闘へと赴く。グラス、オクジー、バデーニ、ヨレンタ、ピャスト、彼らが命を賭してまで追い求めた真理が示すのは、希望か、絶望か。
私が終わる時、世界も終わる。みんなそう思ってたら、きっとこの世界はない。なんか凄いね笑
【編集担当からのおすすめ情報】
単行本1~4集累計80万部(紙+電子)突破!
「マンガ大賞2021」第2位受賞作!!
第1集で岩明 均氏、第2集で高橋しん氏、第4集で最果タヒ氏に絶賛され、多くの著名人・メディアからも注目を集める漫画の第5集です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
137
この巻は拷問場面が多くて血の気が引いたけれど、そのぶんドラマティックで心動くし展開がショッキングな内容であった。序盤の剣戟シーンなど絵が粗いなりにちゃんと迫力があるので不思議な感触。第30話でオクジーが見る夢の場面が印象的。「その悪夢みたいな状況を受け入れるしかない」ってシチュエーションに寒気がするし、毎度毎度拷問描写が怖いと思いつつ、どこかで拷問場面に惹かれている自分がいることにも5巻にして気付いた。この気持ちはなんなのだろうか。さらに作品を追って読めばわかるのだろうか。作中でも時代は移り変わってゆく。2025/09/25
ムッネニーク
93
82冊目『チ。ー地球の運動についてー 5』(魚豊 著、2021年10月、小学館) 相変わらず凄まじい熱量を持った作品。読んだ後にドッと疲れる。連綿と続くのは人々の内にあるとある欲求。その連なりが歴史となるのだろう。とにかく凄い作品だ。 「全部で60頁ある。」2021/10/06
Vakira
92
殺す覚悟のある奴と死ぬ覚悟のある奴。どちらが強いのか?死の怖さなんて、この世を肯定する怖さと比べたら軽いものだ。そう、正解は死ぬ覚悟のある奴。命を賭けているからね。オクジー強い。独り対数人の戦い。読者はオクジーを応援する。「チ」とは「血」でもあったのだ。いや「チ」とは地球であり、血=生命、知=意識とすれば、この世に生まれ自我のある物、それは「人間」のことでもあったのだ。そして知は血を超える。宇宙の真理と言うより、自分の導き出したこの世の正論に命を賭ける。この続きは・・・突然25年先に飛ぶ。展開が楽しみ。2021/10/28
眠る山猫屋
75
オクジーの健闘虚しく、バデーニと共に捕縛され拷問を受ける二人。それでも二人の見上げた夜空は美しかった。較べて異端審問官ノヴァクにもたらされたものは。悔恨しかないノヴァクはこのまま退場するのか、より苛烈さを身に付けて復活するのだろうか。ヨレンタもきっと生き延びて現れるはず。そしてバデーニが残したオクジーの本を生き延びさせる秘策。ルクレティウスを愛したクラポフスキの罪悪感と憧れと優しさを利用した策かぁ。25年後、誰が引き継いでいるのか。年末の6巻が楽しみだ。2021/11/27
りー
74
「君の文章には論文としての価値はない。が、それ故伝わる可能性は高いだろう。“感動”だ。それさえ残せばあとは自然と立ち上がる。」…チは繋がっていく。「人間は元来、“それ”に憧れ、“それ”を欲するように設計されているのだよ。そして私は、“それ”を求めるところこそが、人間の数少ない尊さであると考えている。」空の上に向かって伸ばした手は憧れを越えて更にどこまでいくのだろう。現代に生きる自分に至る「チ」の途方もなく困難な道のりを思い、身震いした。とてつもないものを受け継いでいるのだ、私たちは。2021/09/30
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