出版社内容情報
刀を握れぬ武士が、愛する者のため覚醒する
食うにも困る下級武士の竜土鋼之助。武士としての誇りが人一倍強いこの男には、『触れた金属を曲げてしまう』という特異な能力があった。そんな鋼之助のもとに嫁いできた美しき女、月。深く結ばれた二人であったが、突如現れた謎の男によって月はさらわれてしまう… 愛する者を失い、失意の底にいた鋼之助だったが、そんな彼の前に一人の巫女が現れる。果たして彼女は鋼之助をどこへ誘うのか?
【編集担当からのおすすめ情報】
深く結ばれた鋼之助と月は引き離され、新たに盲目の巫女・明が現れます。彼女は鋼之助にとって一体どんな存在となっていくのでしょうか…!? そして謎の能力を持つ陰陽師たちとの戦いも激化し、物語はますますヒートアップしていきます!
『累』で人の欲望の本質を抉った松浦だるまの新境地を是非ご堪能ください!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空のかなた
15
鋼之助と盲目の巫女の明を殺すべく遣わされた虫使いの「斑」。毒虫が鋼之助達を蝕む様子が気持ち悪い程、次から次に続く。毒虫は眼から、鼻から、耳から、穴という穴から身体に入り込む。その苦しみや痛みの描き方が凄まじい。斑(まだら)もその通力が故に、自分を生んだ母は出産時に虫達に侵され死亡、村人たちからも斑は忌むべき存在として、柱にくくられ火あぶりとなる。そして鋼之助の覚醒。唸る。2024/10/04
龍田
10
妻の月を救うため、お明と鋼之助は土御門の通力者達と戦うことに。虫使いの斑、毒虫を寄せる体質故、生い立ちは不憫。鋼之助の金属を寄せ付けない体質というか異能も開花した。お明は江戸時代だけでなくかなり現代まで能力が暴走してるけど大丈夫なのか。2021/09/16
しましまこ
9
エスパー…2022/11/30
もだんたいむす
6
鋼之助の通力が凄いけど、全体を通して明ちゃんが大活躍する巻。最後のある光景を見た明ちゃんの様子がよい。2021/12/24
かなっち
4
無料版の2巻までが面白かったので、早速3巻も手に取りました。前世から縁のある2人の単なるラブストーリーかと思ってましたが、様々な異能の人とのバトルや世界を救う的な(?)壮大なスケールもあって、ワクワク感も増すのです。愛する奥様まで、なかなか到達しないのがモドカシイですが。と言いつつ、敵たちの異能が凄くて、手に汗握る展開にドキドキするのは否めません。今回は蟲を使いこなすのが相手で、気持ちの悪い描写と共にゾクゾクしました。味方が増えたのは嬉しい限りですが、明ちゃんが最後に視た現在の東京に…疑問が増えましたね。2023/11/19