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出版社内容情報
二人の天才の旅路、奇跡のクライマックス!
その才能を開花させ
真言密教を広めていく空海。
天台法華を苛烈に求めるあまり
孤立さえ恐れない最澄。
互いに強く求めながら
違う道を進むふたりだが
いよいよ「最後」の時が…
【編集担当からのおすすめ情報】
最澄と空海。二人の旅路、堂々大団円!!
耽美な筆致で描き込まれる、圧倒的迫力の一冊がついに最終巻を迎えました!
強く、美しく、自身の道を突き進み続けた二人の「最後」とは…
最終回のその後を描く、後日譚も収録!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
星落秋風五丈原
37
橘逸勢にせよ霊仙にせよ、なぜ物語の途中で彼らの最期を明かしてしまうのか?と思っていたが、物語のエンドがこれならば納得がいく。物語は最後においてまで妨害され続けた最澄が死の前日に大乗戒壇の設立を認められた所で、とある所で空海と会話する場面で終わる。史実では最澄の死を受けて藤原冬嗣、良峰安世、伴国通らが天皇に奏請し、大乗戒壇の設立と天台僧育成制度の樹立について勅許が下りたのは死後七日後。生前の最澄には知らせは届かなかった。しかしだからといって最澄はやり方を変えず第一巻から彼の主張は『正しさが世界を救う』。2021/09/11
kayo
33
ちゃんと理解していない頭で感想を書くのはとても難しい。人に慕われどんどん懐に巻き込んでゆく空海と、道を極めんとして孤立を厭わない最澄。人々を救いたいという思いは同じなのに、行く道は違ってしまった二人。もっと対話して二人が近づいてくれればと思わずにいられませんでした。「正しすぎる光は毒になる」冬嗣のこの言葉が何故か重くわたしの胸に迫りました。全巻読み終え、おかざきさんの描く隅々まで美しい世界が私を導いてくれましたのを痛感しました。麗しく、迫力溢れ、どの巻も見飽きることがありませんでした。2021/09/11
りー
32
物語の読み手としては救われた気持ちで読了。特に泰範についての解釈。しかし仏教史としては疑問が残る。最澄の苦悩をもっとクローズアップしても良かったのではないかと思う。この後、空海の後継者は無く高野山は廃れ、比叡山には綺羅星が集うことになるその意味をもう少し長く描き込んでほしかった…って、もっと読みたいだけなのだけれど。読み足りない…(T_T)。この漫画には長らく気になっていた仏教へチャレンジしようという意欲を貰った。感謝してもしきれない。この2人のどちらが欠けてもその後の日本仏教は無かったのだと合掌。2021/09/10
aisu
23
最澄の死で完結。うーん、感想書くの難しいな。教科書で1、2行でしか知らなかった最澄と空海。実際はどうだったのだろう。でも本人達が書いたものが沢山残っていてかなり史実を尊重、それを検証プラス作者さんの見解、漫画としての表現…色々すごかった。平安初期の雰囲気、天皇周辺、お寺事情、市井の人々、東北や太宰府など地方、遣唐使船と長安、…。参考文献もものすごく沢山!紹介されていて、これをきっかけにもっと知りたい気もするが…沢山すぎて。とりあえず今京都でやってる最澄と天台宗展には行きます。…コラボしてるんだ⁈^^;2022/04/17
にぃと
16
事前に最終巻であることは知ってたけど、知らなくてもこの表紙を見れば察することができたと思う。 あくまで正しき仏教によって全てを救う、という思いは変わらずだが、高野山・満農池で人たらしとしての才覚を発揮し地盤を固めていく空海とただひたすら手紙を書き自分の思いを伝えようとする最澄はどこまでも対照的。 多くの人に支えられながらも対等な立場たりえるのはお互いのみだったふたり。物語のクライマックスでの対話はこの作品らしい描写を見せつけつつも実に素晴らしい表情で読んでいる身としても万感の思い。本当に見事な作品だった。2021/09/23