出版社内容情報
大正天皇、崩御…25歳の青年は天皇となる 大正14年、12月6日。国民が注視する中、裕仁(ひろひと)皇太子と良子(ながこ)妃との間に待望の第一子が誕生した。父となり、大きな責任を背負うこととなった、そのわずか1年後--大正15年、12月24日。深夜。裕仁青年に天皇のあり方を示し続けた大正天皇がこの世を去った。尊敬する父……敬愛する父……肉親との別れに涙を流す時間もなく父の死より約2時間後、青年は第124代の「天皇」となる--のちに激動の時代と呼ばれる「昭和」が、いよいよ始まったのだ…!! 【編集担当からのおすすめ情報】 心のどこかで、「その時」が近いことは理解していた。そして「その時」は、年の瀬の冷たい雨の中で訪れた--愛する父を失い、急かされるようにその地位に就くことになった裕仁青年。常に冷静に気丈に振る舞う青年も、とはいえまだ20代半ばの若者。自らの双肩に「国」を背負う重圧は、いかばかりであったろう…。祝福ムードの中で迎えた「改元」の記憶も新しい今だからこそ、ぜひお読みいただきたい待望の最新刊です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yoshida
101
大正天皇が崩御。時代は大正から昭和へ。なかなか展開が早い。例えば昭和天皇の第二皇女の早逝や、秩父宮の結婚等はもう少しエピソードがあってもいいと思う。昭和の様々な事件が起きる。張作霖爆殺事件は歴史に暗雲をもたらす。永田鉄山や田中義一も登場。少しずつ中国大陸へ進む日本。この作品はどこまで描くのだろう。昭和天皇の崩御までを描くのか。これから向かう大東亜戦争がひとつのピークとなる。歴史的にも大きなターニングポイント。昭和天皇と秩父宮の関係は、どう描かれるか。昭和維新を掲げた二・二六事件も起きる。興味が尽きぬ作品。2020/12/13
アキ
78
大正天皇は崩御。秩父宮殿下は留学先のイギリスより戻る。その前に1915年大正15年12月25日葉山御用邸別館で47歳の生涯を閉じた。昭和天皇は25歳にして、第124代の天皇となる。とうとう激動の昭和が始まった。御前会議で若槻礼次郎内閣総理大臣は台湾銀行の融資問題で紛糾し、総辞職となり、田中義一内閣になる。そんな中、良子皇后の懐妊と久宮内親王の死を経験する。昭和3年6月4日中華民国奉天近郊で張作霖の爆殺があり、関東州の日本陸軍関東軍の関与が示唆された。昭和3年11月10日即位の礼が京都御所で執り行われた。2020/12/15
tamami
43
半藤一利さん原作のこのシリーズも、7巻を数えることなった。内容としては、大正天皇崩御から昭和天皇の即位の礼まで、天皇を中にした人々の動向を中心に、付帯する政治状況とともに描いている。昨日稲垣さんの『はずれ者が進化をつくる』を読んだこともあり、昭和天皇の「雑草という名の草はないんだ」という言葉が印象に残った。一方で中国に派遣されていた関東軍は、張作霖爆殺事件を画策し、それに対する天皇の言葉が田中義一内閣を窮地に追い込んでいく。以上次巻にも続く概要だが、ここら辺、半藤さんが最も訴えたかったことは何かと考える。2022/02/17
り こ む ん
25
大正が終わり昭和が始まった。そして戦争へ…天皇の想いを裏切り続ける時が始まった。半藤さんの思いをしっかり受け止めよう。あの空襲の中生き抜き、伝え続けてきた思いを…感想になってないけれど、吉村さんも半藤さんも空襲を体験した方々の貴重な研究、取材、体験を受け継ぎ、たくさんの名も無き人々が背負い続けた悲しみと願いを引き継ぐ為にも2021/02/01
masa
25
大正天皇の崩御から張作霖爆殺事件が起こるまで。これを機に日本は満州事変を経て太平洋戦争に突っ走っていくと思うけど昭和天皇はどう思っていたのか。次巻の発売が待ち遠しい。2021/01/07