出版社内容情報
『町田くんの世界』の安藤ゆき、最新作! 中1にして「人生終わった」と絶望する少年・土屋悠人。留守気味だった隣人のバレリーナ・宮本琥珀が怪我で引退&天涯孤独で帰国と聞き、「俺より終わってそうなやつが見たい」と訪ねるが、なんかイメージと違うし、手がかかる人で…?大ヒット作『町田くんの世界』の安藤ゆきが描く、新時代の優しい物語!“人生終わった2人”のご近所探訪記!! 【編集担当からのおすすめ情報】 『町田くんの世界』で少女漫画の地平を切り拓いた安藤ゆき氏の、青年漫画初連載!「皆の当たり前」、「普通の日常」…そんな常識を優しくひっくり返して、丁寧に積み直すような、安藤氏にしか描けない「新しい世界」!時代に寄り添う漫画が、ここにあります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
66
リタイアした天才バレリーナ・琥珀。彼女に興味を持った隣家の中学生・悠人。ちょっぴり人生に詰んだ(と思っている)悠人が、自分より更に不器用な琥珀を放って置けなくなってしまう。優しい気持ちになれる物語だなぁ。自分の居場所が無いと感じている二人がまだ気づかない、お互いが居心地が良い場所になっているという展開が暖かい。家族の意志に沿って生きてきた二人だけれど、新しい道を歩むパートナー(恋人ではなく)に出会えた事により、“地図にない場所”という都市伝説を辿り始める。しっかり考え悩む悠人の背中を追いかけたい。
akihiko810/アカウント移行中
28
優等生から落ちた落ちこぼれの中学生と、「天才」から降りた隣人のバレリーナ。二人は都市伝説「地図にない場所・イズコ」を探しに探索する。 「町田くんの世界」の著者の、初青年誌連載作。 主人公の少年がうじうじ悩む子なので、バレリーナのお姉さんがさっぱりとしていて良い味をしている。奇をてらわないしっかりとした作品で好感が持てる。実写化も近そう。テーマ的に3~5巻くらいで終わりそうな感じなので、追いかけやすいと思う2021/07/07
トラシショウ。
27
「バレエの事で喜ぶママを見る度に・ママが見てるのは私じゃなくて父親なんだって、気付いて。小さく、傷付いて。だから、もう傷付かなくて済むんだって思ったら、ほっとしちゃったんだよね」。読み友さんの感想から。優秀な兄に続けと進学校に中学受験で合格するも、無理が祟って落ちこぼれそうな悠人(中一)は、お隣さんでバレリーナの世界的トップの座を突如引退した宮本琥珀(30)の事を知り、「俺より終わってる奴が見たい」と彼女への接触を図るが、それは二人の「地図にない場所」を探す奇妙な交流の始まりだった(以下コメ欄に余談)。2020/12/23
ぐうぐう
25
優秀な兄と同じ期待を抱く親のため身の丈以上の進学校に行くことになった結果、家でも学校でも居場所をなくしつつある中一の悠人。同じく母親の期待に応えるためにバレリーナとなりトップへと昇りつめたものの母の死をきっかけにバレリーナを辞めた琥珀。優等生から落ちた悠人と、バレリーナから降りた琥珀。ひとつの人生を終えたと実感する二人だが、「落ちた」と「降りた」では、かなりの違いがあるはず。なのに二人は意気投合する。「地図にない場所」探しに。いかにも安藤ゆきらしい導入の、だからこそ裏切りをどこかで期待したくもなる最新作。2020/12/19
ぐっち
22
安藤ゆきさんの新作。バレリーナを辞めて戻ってきた隣の家の琥珀さんと、優秀な兄とイケメンな弟に挟まれて、学校にも家にも居場所がない悠人。「地図にない場所 (イズコ)」を探すことになった2人+すずちゃん。静かで優しい世界が素敵。2020/12/27