出版社内容情報
力になる。側にいる。未来への小さな望み。
末期ガンで入院中のパートナーの見舞いに通う、
「談話室」メンバーのチャイコさん。
そんなチャイコさんが思い出として語ったのは、
「無色透明でありたい」と決心した頃の
若き「誰かさん」の姿だった。
一方、結婚式を控えた早輝は、同性愛者
であることを両親に暴露されてしまう。
そのきっかけとなった己の父親に対する
憤りを隠さない椿の様子に、たすくは…。
尾道を舞台に鎌谷悠希が描く
性と生と青春の物語、感動の最終巻。
【編集担当からのおすすめ情報】
「僕達は傷つけられても立ち上がる力がある。
誰かを傷つけたときそれを省みる心がある」(本文より)
……多くの支持をいただいた鎌谷悠希氏の渾身の作品が
ついに完結巻となりました。
第1話、真夏の太陽の下で真っ青な顔をしていた
主人公のたすくがどのような成長をとげたのか、
ぜひご一読ください。
そしてこの物語が、一人でも多くの方の支えや
励ましとなることを、心より祈っています。
鎌谷 悠希[カマタニ ユウキ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パンダ侍
30
★★★★☆ わかってほしい訳じゃない。ただそこにいてほしい。アラフォーでゲイで彼氏なし。カムアウト未。仕事が嫌いなのに仕事ばかりしている。来週の健康診断が心配だけど、プリンが好き。帰り道のコンビニのバイトのヨシダくんはかわいい。僕が僕であることを知っているのは僕だけだ。パートナーとの最期を生きるチャイコさん。ふたりで生きる道をゆっくりと開く春子と早輝。迷いながらたすくに向き合おうとする椿。ただそこにいる誰かさん。LGBTQAでも、そうでなくても、隣人と手をつなげる世界であれ。ここにいたいと思える作品。2018/07/29
ぐっち
12
結婚式と別れと続いていく関係…優しい終わり方。現実はこんなにやさしいことばかりじゃないと思うけど、そして自分もこんなに優しくできないと思うけど。読んでいる間は寄り添えたかな。いい話。2024/05/19
みこ氏
8
TSUTAYAでたまたま見つけてレンタル そして一気読み 4巻はなんとなく打ち切りっぽい感じで終わるけれど、全躰的にとても良かった2018/09/07
うかんるり
8
セクシャルマイノリティーと呼ばれる人たちに限ったことじゃなくて、すごく新しい考えを教えてくれるな〜と思う…2018/07/22
葉鳥
7
完結。早輝さんの両親の反応が印象深い。お母さんが受け止めてくれたのはとても嬉しい。お父さんの対岸の火事なら受け止められるけど、自分に降りかかった時に思わず拒む気持ちが生まれたという反応はリアルで、もし自分だったらどうだろうと考えさせられた。無事に両家のご両親を含めて結婚式を挙げることができてよかった。そしてチャイコさんと瀬一郎さんも最期を共に過ごすことができて、息子さんの計らいにジーンときた。全巻通してとても良い作品だったから、またいつか読み返したい。2023/10/24