出版社内容情報
人生とは無償の愛へと至るはるかな道のりと気づかせてくれた、自らに厳しく、他者への慈愛に満ちた兼好・道元・最澄のドラマチックな生涯。「無償の愛」を説く著者が、自らの人生と重ねてたどる評伝風エッセイ。
オウム真理教が引き起こしたさまざまな犯罪疑惑。宗教法人法改正をめぐる不透明な与野党の駆け引き。肝心な場面には出てこない宗教家たち。戦後50年に当る今年はまた、宗教界に大激震が走った年として暮れようとしています。 二十年前、流行作家の座を投げうって、突然、出家を遂げた著者は、今年、百号を迎えた月刊新聞「寂庵だより」十月号の巻頭言で、次のように説いております。この頃の人々の神頼み、仏頼みは、みんな信仰することで、即、御利益をいただくことを期待している。布施のたかが多いほど、信仰の深さの証明になり、神仏の御利益があるなどという考えは、全くまちがっている。信仰と愛は無償の心でなければならない。 つまり、だます教祖はもちろん悪いが、だまされる信者のほうにも、信仰の態度において問題が多いというのです。「その頃の私は、目をつむればいつでも、昏い夜の海が目の中に拡がっていた。荒い波涛の音だけが聞こえる海に突きだしている断崖絶壁の端に自分が立っている感じがする」(本文より) この自殺にも等しい出家へと著者を駆り立て、無償の愛の実践への道を開いてくれた先達三人、兼好・道元・最澄の生涯をたどり、あらためて真の信仰の素晴しさを説く、必
内容説明
ひとはなぜ出家するのか。“人生とは無償の愛へと到るはるかな道のり”と気づかせてくれた、兼好・道元・最澄の生涯。
目次
兼好
道元
最澄