小学館新書<br> 日本銀行「失敗の本質」

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小学館新書
日本銀行「失敗の本質」

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  • サイズ 新書判/ページ数 256p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098253432
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

出版社内容情報

黒田日銀はなぜ「誤算」の連続なのか?

「異次元緩和」は真珠湾攻撃、「マイナス金利」はインパール作戦、「枠組み変更」は沖縄戦に通じる――。

「誤算」と「迷走」を重ねる黒田日銀の金融政策は、かつての日本軍の失敗を彷彿とさせる。

組織論の観点から見ても、「あいまいな戦略目的」や「短期決戦志向」「属人的な決定プロセス」など、両者は驚くべき相似をなす。

だとすれば、その行き着く先は「第2の敗戦」ではないのか――。

いち早くアベノミクスに警鐘を鳴らした朝日新聞編集委員が、間違った金融政策を修正できない政府・黒田日銀の問題点を浮き彫りにする。

「メディアも有識者も経済界も、この政策をまったく批判しなくなったら、それはまるで戦時中の大政翼賛会のようなものだ。あまりに無謀な太平洋戦争を引き起こした戦争責任は時の政権や軍部にある。だとしてもそれを無批判に受け入れ、時に支持したメディアや有識者たちにも責められるべき点が多々ある。
批判を許さない抑圧的な体質も、都合のいいことしか説明しない、させないという大本営発表的な手法も、戦前や戦中に通じるもののように思える。私たちは今、相当に危なっかしい時代の淵に立っている。」(プロローグより抜粋)


【編集担当からのおすすめ情報】
朝日新聞の連載「波聞風問」などで切れ味鋭い経済コラムを執筆している著者の原さんは、いち早くアベノミクスと異次元金融緩和に警鐘を鳴らしてきた記者の1人です。
その原記者が、ベストセラー『失敗の本質』で指摘されている日本軍の欠陥分析を参考に、黒田日銀の抱える問題点を丹念に検証し、書き下ろしたのが本書です。
「時系列」と「組織論」の両面から、軌道修正できない組織――日本軍と黒田日銀の驚くべき相似が解き明かされていきます。
これ一冊で、重厚な経済書ほどの読み応えがあります!

内容説明

黒田日銀はなぜ「誤算」の連続なのか?その疑問を解くヒントは、かつての日本軍の失敗研究にあった―。「異次元緩和」は真珠湾攻撃、「マイナス金利」はインパール作戦を彷彿とさせ、「枠組み変更」は沖縄戦に通じる。組織論の観点から見ても「あいまいな戦略目的」や「短期決戦志向」など両者は驚くべき相似をなす。だとすれば、異次元緩和とアベノミクスの行き着く先は「第2の敗戦」ではないのか―。朝日新聞編集委員による全く新しい日銀批判の書。

目次

第1部 黒田日銀「迷走の軌跡」―「時系列」から考える相似(“開戦前夜”―あらかじめ定められた目標;失敗の発端(2012年12月)「主戦論」への転換(ノモンハン事件)
奇襲(2013年4月)「異次元緩和」という名の宣戦布告(真珠湾攻撃) ほか)
第2部 アベノミクス「失敗の本質」―「組織論」から考える相似(あいまいな戦略目的―「デフレ脱却」とは何か;短期志向の戦略立案―「2年で達成」と断じたインフレ目標;空気の支配・非科学的思考―「アベノミクスは成功」連呼 ほか)
第3部 “平和な終戦”はありうるか―「誤算」続きの黒田日銀が残した教訓(迷走する経済政策;「第2の敗戦」へ;来たるべき“破局”の前に)

著者等紹介

原真人[ハラマコト]
1961年長野県生まれ。早稲田大学卒。日本経済新聞社を経て、88年に朝日新聞社に入社。経済記者として財務省や経済産業省、日本銀行などの政策取材のほか、金融、エネルギーなどの民間取材も多数経験。経済社説を担当する論説委員を経て編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

17
朝日新聞でアベノミクス、日本の財政赤字に警鐘を鳴らし続けてきた原真人さんの新著。アベノミクスは原さんが揶揄的に用いたものを安倍晋三総理がパクったものだと聞いて驚き。2012年第2次安倍内閣成立後にアベノミクスを実行に移した日本銀行の動きを検討し、その失敗の原因を日本軍の失敗の原因を探った名著「失敗の本質」に当てはめて考察する。ギャンブル的なアベノミクスに代えて野田佳彦内閣の時に成立した三党合意のような消費税増税などの税収確保による財政赤字削減、高齢化社会にふさわしい持続的な社会保障制度の実現を呼びかける。2019/04/14

Daisuke Oyamada

15
「アベノミクス」という 政府の赤字は日本銀行に紙幣を刷らせて解決する政策。 「アベノミクス」は成功であるかの様なムードに、 筆者は自分のおかしいのでは無いかと不安になり、 様々な信頼できる有識者に意見を聞いたところ、 ほとんどがアベノミクスや異次元緩和を 「危うい政策」と見ているのに、 なぜ警鐘が鳴らされないのか。 批判を許さない抑圧的な体質。 それはまるで戦時中、国民を全員洗脳・・・ https://190dai.com/2023/06/18/日本銀行「失敗の本質」-原真人/2023/06/18

あんさん

11
一時の例外だったはずが、長期間または繰り返して行われると感覚がマヒしていく。やはり変なのだ。「御厨 アベノミクスって何か、今でもよく分かりませんが、安倍さんは「何かをやっている感じが大事だ」と。(中略)「『やった感』じゃないよ、『やってる感』だよ」なんですね。」2024/03/23

KIO

7
日本の財政や日本経済の先行き、自分個人の生活の見通しを知りたいと思ったら、ぜひ読んで欲しいと思います。この本は、僕は元参議院議員の藤巻健史さんから知りました。日本がずっと続けてきた借金財政からの事実上の財政ファイナンスは、財政破綻かハイパーインフレにつながることを、著者なりに丁寧に記載した本です。ひと昔前の新書を思い出す、密度の高い文章で、昔のしっかりしたジャーナリストの文章を久しぶりに読んだようになりました。2021/01/23

スプリント

6
銀行の実態について書かれた本は楽観論か悲観論に極端に振れた内容が多いですね。2020/10/05

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