出版社内容情報
人気のホラー作家が書き下ろす実録・男女論
かつて「魔性の女」というと妖艶でつかみどころが無く、どこか不思議な魅力を持つ女達のことを指していた。女性にとって「魔性の女」と呼ばれることは一種のステイタスだった。しかし、今はどうか。妻から夫を奪い取る愛人家業に生きる女や、男を狂わせる女、そして世間を賑わせた2つの男性連続不審死事件で犯人とされる被告らは揃いもそろって容姿端麗とは言い難い。
本書は、結婚というものをフックに女の強かさ、計算高さ、愚かさ、怖さ、男の短絡的でだらしなくて、幼く脳天気さ、ずるさなどを描いていこうという趣旨である。
本書で登場する人物は基本的に仮名ながら、名前を聞けば、誰もが分かるであろう著名人・有名人のエピソードが数多く含まれている。社会的なステイタスを持ち、金銭的に恵まれ、端から見たら非の打ち所がないように見える彼らでさえ、「結婚」というものに縛られ、苦しめられ、苦汁をなめているのである。決して幸福とは言い難い日々を過ごしている人たちがいかに多いのか。
端から見ては不幸にしか見えないが、本人にとってはそれが幸せだという不思議な愛の形もある。結婚とは「ホラーと背中合わせ」なのかもしれない。
【編集担当からのおすすめ情報】
岩井志麻子さんといえば、タレントとしてバラエティー番組にも多数出演してますが、ホラー小説を書かせたらゾクゾクするような作品を多数発表しています。多彩な人脈もあり、「これ以上は書けない。書いたらまずい!」というヤバイ話が打合せの中でも多数飛び出てきました。いったいこれは誰がモデルなのだろう、などと想像しながら読み進めてみると面白いかもしれません。
序章 事実婚を選んだ西原理恵子と中瀬ゆかり
第一章 強かで怖い女と間抜けで気弱な男たち
第二章 「結婚」で人生を狂わせた男と女の事件簿
第三章 あえて「結婚」という選択肢を放棄した女たち
第四章 常人には理解しがたいかもしれない幸せの形
内容説明
現在の婚姻制度は、明治時代になって形作られた。「愛し合っているから」という概念が一般化したのは、わずか40数年ほどの歴史しかない。しかし、恋愛結婚が主流となってから、保険金殺人や詐欺など結婚にまつわる様々な事件が発生している。だが、そんな大犯罪ではなくとも、幸せのはずの結婚の裏側では、数々の不幸が日常至るところで起こっているのだ。結婚とは何なのか?ホラー小説の旗手が書き下ろすすべて実話の物語。男は愚かで、女は怖い。
目次
序章 事実婚を選んだ西原理恵子と中瀬ゆかり
第1章 強かで怖い女と間抜けで気弱な男たち(「あいつらを再婚させてなるものか」ある医師夫人の呪詛;「あいつとだけは結婚したくない」あるお笑い芸人の逃亡;「再婚したくないから離婚しない」ある韓国男の憂鬱;「家庭を崩壊させてやる」ある職業婦人の意地;「この子はあなたの子だから結婚して」ある虚言女の計算)
第2章 「結婚」で人生を狂わせた、男と女の事件簿(夫を殺した浮気相手の減刑嘆願書に署名した本妻の意地;「結婚してくれなきゃ、破滅させてやる」殺されたソープ嬢の怨念;不倫相手の妻ではなく“恋人”を殺してバラバラにしたお嬢様;子どもとともに殺された玉の輿ブランド女の計算違い;木嶋香苗被告と上田美由紀被告―悪女の深情けと醜女のお情け)
第3章 あえて、「結婚」を放棄した女たち(永遠にお嬢様気分の姉と、永遠の愛人になった妹;「巨匠の愛人として生きる」永遠の乙女な映画女優;「結婚の夢を見させてくれる男が欲しいだけ」ある風俗嬢の覚悟)
第4章 常人には理解しがたい幸せの形(無頼派気取りのプライドを守るために、異国の地で命を落とした男;処女大学生が、どんな不幸も幸福に脳内変換できる女に変わるまで;“出会い系サイト”で運命の出会いをした、割れ鍋女と綴じ蓋男)
著者等紹介
岩井志麻子[イワイシマコ]
作家。岡山県出身。1999年『ぼっけえ、きょうてえ』で第6回日本ホラー小説大賞を受賞。翌2000年で第13回山本周五郎賞を受賞。2002年『岡山女』で第124回直木賞候補となる。同年には、『チャイ・コイ』で第2回婦人公論文芸賞を受賞、さらに『自由戀愛』で第9回島清恋愛文学賞を受賞。近年はタレントとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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