出版社内容情報
東大秋入学移行で、受験、就職が激変する!
東京大学が2017年を目途に、学生の秋入学への移行を表明した。世界の大学の主流である秋入学に揃えることで、学生・教員の国際化を推進するのが最大の目的としている。京大など旧帝大、一橋、東工大、私立では早稲田、慶應にも呼びかけ、有力12大学で検討を進める。これは受験生やその家族のみならず、就職先の企業・官庁など社会的にも大きな影響を及ぼすと著者は危惧する。まず、大学入試の時期がばらばらになり、長期化して受験生を混乱させる。秋入学、春入学の学生が混在し、その結果、企業の新卒採用も従来の春一括採用は崩れ、秋・春2回か通年採用になっていく。そしてキャリア組の採用は東大生が卒業する秋に集中する。春採用者はノンキャリア扱いとなり、さらに非正規雇用化や低年俸制社員が増えるという過酷な状況も想定される。また、合格してから就職するまで半年~1年は期間が延びるため、低所得者層への経済的負担が増大する。さらに著者は、東大案は国際化といっても、すでに秋入学である中国の留学生や外国人教員を増やして東大の国際ランキングを上げるのが目的だと喝破し、その前に大学そのものの質を向上させるべきだと強調する。
【編集担当からのおすすめ情報】
春に合格してから秋の入学まで半年間(浪人すれば1年半!)の「ギャップターム」の経済的負担は重く、低所得者層の「学ぶ機会」を奪いかねないと著者は危惧します。受験生のみならず、就職制度や公務員試験・国家試験の時期はどうなるのかなど、今から知っておき、議論を重ねるべき問題点を提議する一冊です。
【著者紹介】
1960年大阪府生まれ、精神科医。東京大学医学部卒。東京大学付属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。一橋大学経済学部非常勤講師。川崎幸病院精神科顧問。老年精神医学、精神分析学(特に自己心理学)、集団精神療法学を専門とする。著書に、『男も更年期で老化する』『人は「感情」から老化する』『テレビの大罪』他、多数。
内容説明
東京大学が2017年を目処に学生の秋入学への移行を表明した。世界の大学は秋入学が多く、これに歩調を合わせて大学の国際化を推進するのが大きな目的だという。だがこの制度変更には様々な問題が含まれている。入試日程を遅らせる大学が出てくることによる入試期間の長期化と混乱。合格から入学までの半年間の「ギャップターム」にかかる家庭への負担増。そして就職は秋・春採用または通年採用が一般化するが、秋採用が優遇され格差を生む恐れがある。さらに著者は、この制度変更には中国人留学生や外国人教員を増やすことで国際ランキングを上げたいという東大の意図があると喝破する。
目次
第1章 秋入学とは何なのか?
第2章 秋入学移行で受験はこう変わる!
第3章 大学の難易度はこう動く
第4章 ギャップタームをどう過ごすのか?
第5章 学生生活は変わるのか?
第6章 就職・国家試験の仕組みはどうなるのか?
第7章 日本の大学は本当に良くなるのか?
終章 秋入学時代に問われる「本当の実力」とは?
著者等紹介
和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪府生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。東京大学付属病院精神神経科助手、米カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、「和田秀樹こころと体のクリニック」院長。国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)。受験勉強法の通信指導「緑鐵受験指導ゼミナール」を主宰し、多くの現役東大生講師や受験生と接触する体験から、定評ある受験技術書を著している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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