小学館101新書
日本語を「外」から見る―留学生たちと解く日本語の謎

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098250714
  • NDC分類 810.7
  • Cコード C0295

出版社内容情報

世界各国の留学生が日本語を学ぶ「湘南国際村」。ここでの日本語教師と留学生の対話を通して、日本語ネイティブ・スピーカーが気づかない日本語や日本文化の特質が見えてくる。恋あり友情ありの日本語・日本文化論。

内容説明

ここ「湘南国際村」では、日本語教師の著者とボランティアが協力して、世界各国からの留学生たちに日本語と日本文化を教えている。そこで留学生たちが直面する、日本語の「難しさ」と「おもしろさ」。日本語を学ぶ外国人たちにとって、日本語は矛盾と謎に満ちている。言われてみて初めて気付く日本語の謎を、ロマンスや友情のエピソードを交えて綴り、外国語として見た日本語の特質をわかりやすく伝える、エッセイ風のユニークな日本語・日本文化論。

目次

初級編(無意識の文法;形容詞の指導は難しい;先生はもう「きって」いますか? ほか)
中級編(「…わけにはいきません」―「わけ」と社会規範;「―らしさ」の意味するもの;「いよいよ」「とうとう」「ついに」の使い分け―外国籍の子供の戸惑い ほか)
上級編(終助詞の役割;各国の存在する「敬意表現」;「日光へ旅行をやりました」―「する」と「やる」の違い ほか)

著者等紹介

佐々木瑞枝[ササキミズエ]
京都生まれ。山口大学教授、横浜国立大学教授を経て、武蔵野大学文学部・大学院教授。エッセイスト。専門は日本語学、日本語教育学、日本文化論、異文化間コミュニケーション論。エコールプランタン「日本語教師養成講座」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

AICHAN

37
図書館本。著者は国語教師の免許を持つ。ひょんなことから外国人に日本語を教える身となる。思ってもみなかった壁がいくつも立ちはだかる。小学1年の国語の教科書でさえ外国人には難しいのだった。なぜか? 日本人は生まれ落ちたときから日本語を聞き、そしてやがて日本語を話す。小学校で国語を習うまでには、日本語の文法やややこしい取り決めなどを無意識にマスターしてしまっている。例えば「が」と「は」の使い方の違い。著者は日本語の特殊性を改めて認識して外国人に日本語を教える。この本はその様子を記録したエッセイ的著書だ。2017/06/22

fumikaze

9
日本語を正しく使うのはとても難しい(笑)。普段無意識に日本語を使っていて、言葉の使い方について厳密に考えた事が無かったので、もし留学生から質問されたらとても答えられないだろう。日本語についてだけでなく外国人留学生との毎日の様子が書かれていて読み物としても面白い。卒業式は感慨深い。2018/12/29

Nobu A

6
図書館本読了。日本語教師としての著者の経験を基に日本語を外国語として学ぶ学習者の視点から習得の難しさを人間味溢れる物語調で紹介。お目にかかったことはないが、素敵な人柄が窺い知れる。学習者が躓きやすいところを解説並び指導法を紹介。実際、初級から直接法で教えていて、一言、二言英語で教えた方が学習者の頭にストンと入る場合、適宜そうしているが、なかなか難しい。専門書でなく、文庫本として解決法を簡単に提示しているのが良い。初級、中級、上級編の3部構成。最後の方はパラ読みだったが、手元に置きたい1冊。早速購入。2017/11/04

Kentaro

4
日本人は文法や理論を理解した上で話しているわけではないが、自然に使えるものが留学生にはなかなか理解できないし、直らない。まるで私たちの英語学習のようだ。 なるほどこういうところに詰まるのだと分かると、ちょっと微笑ましくも感じる。 一方で、我々が外国人にこの違いを説明してと言われたら説明が難しいものも多い。先生大仏様がどこですか。先生大仏様はどこですか。この「は」と「が」は、文法的に前者はどうおかしくて、後者はなぜ正しいのか。きちんと他の例も出して答えていかねばなりません。日本語って難しいですね。2018/06/01

奇天

4
かなり昔、まだ日本語教育という概念がそれほど知られていない頃に著者の書を読んだことを覚えている。日本語教育の置かれた環境は変わっても、外国人の目を通すことで日本語の新たな面が見えてくることは変わらない。もちろん、間違いをただ間違いと見過ごすのではなくそこから日本語の特質を読み取ることができるからだが。本書では初歩的なことではなくより深い問題、日本語のあいまいさや文化的背景にも触れられている。そのあたりをもう少し詳しく知りたい感じがした。また、個性豊かな留学生たちの生き生きした記述が読む原動力にもなった。2010/08/11

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