出版社内容情報
堤真一などを擁する芸能プロ「シス・カンパニー」の社長にして、手がけた舞台55本がすべて黒字の演劇プロデューサー・北村明子。興行は水物、の常識を覆す驚異の記録は、いかにして成し遂げられたかを語りおろす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
7
高萩宏『僕と演劇と夢の遊眠社』を補完する意味で読み始めたのだけれど、その意図は早くも裏切られる。遊眠社時代の記述はほんの少しで、時代はすぐにNODA・MAPへと移るのだ。では、演劇プロデューサーとしてのノウハウに読みどころがあるかといえば、そこも実に当たり前な記述が多く、肩透かしを食らってしまう。どうにも読みどころがつかめない。たぶん、北村明子のプロデューサーとしての成功と自信が、読み物としてどこかで弛緩を招いているのだ。むろんそれは、彼女の演劇界での才能とは別物の話ではあるが。2010/02/15
メルコ
5
夢の遊眠社やNODA MAPなど野田秀樹の舞台を手掛けてきた著者による一編。自身の演劇観や仕事術などの内容で分かりやすい。野田秀樹との関わり方や自分が観たいと思う演劇をいかに商業ベースでやっていくかなど、面白く読んだ。2015/01/26
ao-king
3
北村女史は当たり前のことを言っているようだが、それを実際に行動に移し、演劇の世界で利益を上げることは難しい。個人的に某小劇団と付き合いがあるので、演劇人が舞台だけで食べていくことの難しさはなんとなくだが知っている。北村女史のやり方、参考にはなるかもしれないが、それですべての劇団の経営がうまくいくというわけではないだろうし。そもそも舞台なんて、知り合いでもいない限り普通の人はそうそう見に行かないものだしねえ。2012/07/15
とし
3
一人のプロデューサーの、覚悟と心意気に満ちた傑作。制作というポジションが能動的に働くと、何と大きな力を生み出す事か。2011/07/29
ポチ
2
好きを仕事にしている方という印象。これを実行し、かつ成功するのは簡単ではないけれど、北村さんのように割り切りを上手くなりたいなと思わされる内容でした。2013/09/08