出版社内容情報
土下座から10年、日本の修業にオチはない
「食事は師匠が食べ終わる3分前に済ませる」
「深夜でも師匠が帰るまで事務所で待機」
「兄弟子より目立つ着物を着てはいけない」……
歌舞伎と能の勉強のために来日しながら、落語に魅せられて桂三枝(現・六代桂文枝)に土下座で弟子入り志願したカナダ人劇作家。しかし、晴れて許された日本での修業は驚きと戸惑い、失敗の連続だった。文化、習慣の違いから、欧米では当たり前と思ってしたことで叱られ、良かれと思ったことで迷惑をかける。何より、「師匠と兄弟子の空気が読めれば、お客の空気も読める」という教えは想像を超えたものだった……。
戦後初の外国人落語家として活躍する桂三輝が初めて明かす、笑いと涙の異文化修業奮闘記。
【編集担当からのおすすめ情報】
著者は落語はもちろん、日本のことが大好きなカナダ人。その落語と日本文化の素晴らしさを世界の人にもっと知ってもらおうと、英語落語での海外公演を熱心に行っています。「落語の笑いは世界共通、みんな同じところで笑ってくれる」とニコニコしながら語ります。また、ある大阪出身・海外在住の方からは「あなたの英語落語は大阪弁に聞こえる」と言われたそうです。落語をどう英語に翻訳して笑いをとっているのかと、興味を持たれる方も多いのではないでしょうか。そのあたりの苦労話も、本書にはふんだんに盛り込まれています。
桂 三輝[カツラ サンシャイン]
著・文・その他
内容説明
歌舞伎や能の勉強のために来日したカナダ人劇作家が、初めて聴いた落語に魅了され、落語家になることを決意。生涯の師と決めた桂文枝に土下座で弟子入り志願する。しかし、待っていたのは「食事は師匠の3分前に終える」「弟子は目立たず気配を消せ」など、欧米の常識とは違う落語修業の厳しい教えだった。上方で最初の外国人落語家として活躍する著者が初めて明かす、笑いと涙の異文化修業記。
目次
第1章 カナダの劇作家、日本に恋をする(人を笑わせるのが好きな少年;古典ギリシャ・ローマとの出会い ほか)
第2章 落語との運命的な出会い(狸小路の居酒屋「はな家」;お座敷の落語会 ほか)
第3章 弟子入り(上方落語の不思議な魅力;大阪の粋な運転手さん ほか)
第4章 落語家修業(修業の始まり;「空気を読む」ことの難しさ ほか)
第5章 英語で落語を演じること(日本にはお礼の言葉が四十七ある?;「よろしくお願いします」は英語で何と言うか ほか)
著者等紹介
桂三輝[カツラサンシャイン]
本名グレッグ・ロービック。1970年、カナダ・トロントでスロベニア系移民の二世として生まれる。トロント大学で古典ギリシャ喜劇を専攻。1999年来日。日本で初めて聴いた落語に強く惹かれ、落語家を志す。2008年、桂三枝(現・六代桂文枝)に弟子入り。戦後日本で初めての外国人落語家となる。2013年以降は、カナダやアメリカ、イギリスなど世界各国で英語やフランス語を駆使した落語公演を行い、日本文化を発信している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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