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小学館101ビジュアル新書
フェルメールの光とラ・トゥールの焔―「闇」の西洋絵画史

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  • サイズ 新書判/ページ数 191p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784098230143
  • NDC分類 723
  • Cコード C0270

出版社内容情報

名画に見る「闇」がつくった西洋絵画の歴史

17世紀西洋絵画の巨匠ラ・トゥールやレンブラント、フェルメールといった、日本で人気の高い画家に共通している特徴は、精神性の高い、静謐で幽玄な光と闇の描写にあります。それらの画家の絵画に描かれた深く豊かな闇の表現は、『陰影礼賛』を素直に理解し受け入れる感性をもった日本人にとっては、親しみやすく感じられるものです。しかし、「闇」を描くことは、西洋絵画の歴史の中では、極めて革新的な出来事でした。なぜなら、中世以降、西洋絵画は神を讃えることを目的に描かれたため、世界を照らし出す光に包まれているべきものだったからです。
本書では、イタリア・ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチによって確立された革新的な「闇」の表現が、バロック絵画の先駆者カラヴァッジョによる光と闇がドラマティックに交錯する絵画を経て、いかにしてラ・トゥール、レンブラント、フェルメールらの静謐で精神的な絵画を生み出していったのか、西洋絵画における「闇」の歴史をたどります。わかりやすい文章と数多くの美麗で魅力的な図版によって、初心者も経験者もともに、これまでになかった斬新な視点から西洋絵画の歴史が楽しく読める書物となっています。


宮下 規久朗[ミヤシタ キクロウ]
著・文・その他

内容説明

ルネサンスの巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチが確立した革新的な「闇」の表現が、バロック絵画の先駆者カラヴァッジョによる光と闇のドラマを経て、いかにして静謐で精神的な絵画へと成熟していったのか、西洋名画を育んだ「闇」の歴史を、西洋美術史界屈指の「語り部」である著者が、美麗な図版とともにわかりやすく解説。

目次

第1章 闇の芸術の誕生―レオナルド・ダ・ヴィンチとルネサンスの巨匠たち
第2章 光と闇の相克―カラヴァッジョ
第3章 ヨーロッパに広がる闇―カラヴァッジョ派とバロックの巨匠たち
第4章 心の闇を照らす焔―ラ・トゥール
第5章 闇に輝く黄金の光―レンブラント
第6章 闇を溶かす光―フェルメール
第7章 闇の近代―光と闇の継承者たち

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

386
タイトルに掲げられているのはフェルメールとラ・トゥールだが、実際はダ・ヴィンチに始まるルネッサンスの画家たちの「光と影」の表現からカラヴァッジオ、レンブラント、果ては現代までを展望する。たしかに西欧絵画における「光と影」といったキー・コードは主軸を成すかもしれない。線ではなく面の、それも光による描法こそは王道であっただろう。そして、「光と影」の美術史は極めて説得力に富むものであった。トータルにはカラヴァッジオの革新性があらためて浮き彫りにされるようにも思うが、フェルメールなど他の画家たちも凄いのである。2019/05/07

KAZOO

48
フェルメールとラ・トゥールだけかと思ったのですが、ダヴィンチ、カラヴァッジョ、レンブラントも登場しているのですね。まあ私はすべて好きなのですが最近はとくにフェルメール、ラ・トゥールに惹かれています。光と影の正反対のような感じですが私は両者ともに光の使い方がうまいと思っています。作品の少なさも共通しています。むかしはレンブラントいのちでしたが。2015/02/05

kaori

37
ルネサンス以降の西洋美術における光と闇の系譜をたどる解説書。今まで光と闇の効用についてまで着目して絵画鑑賞をしたことがなかったので、とても興味深い内容だった。勿論美術にも流行や時代背景というものは大きく影響するものだが、その中でもそれぞれの画家たちの心象が光と闇を通して描かれていることがよくわかった。本当はラ・トゥールについて知りたく手に取った。しかし彼について書かれていたことは僅かだったのだが、それでも大いに満足できる内容だった。2015/02/16

ホークス

36
2011年刊。西洋画における明暗表現の歴史。カラー画像多数。ダヴィンチやラファエロの模索を受け、変革者カラバッジョ(1571〜1610)は劇的な明暗法を確立。教会の作品を通して各地に伝播してゆく。特徴は「明暗対比の強い、酷薄なまでの写実主義」。"酷薄なまでの"に私は惹かれる。レンブラント(1606〜69)は闇を、人の内面から滲み出るものに昇華させた。フェルメール(1632〜75)では、光は闇との対比に頼ることなくドラマを創り出す(光の勝利)。なるほどの連続。本書の発展版が『闇の美術史』との事。2025/07/09

aisu

18
西洋と東洋の絵画における闇の取り扱いの違いとか。西洋絵画の巨匠を年代順に取り上げており、表題の二人だけの本ではないです。あとがきに「闇の…というテーマを聞いて、古代〜中世〜近代の写真、現代のインスタレーションという壮大な歴史記述を思い描いて目眩が…」。実際求められたのは光と影の巨匠たちの紹介だった訳ですが、その壮大な歴史記述、いつか書いて欲しいですね。読んでみたいです。2016/09/27

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