出版社内容情報
自閉症の障害をもつアーティスト佐々木卓也氏が、10代後半に制作した動物の親子の粘土作品に、岸田今日子氏のエスプリのきいた文章を添えた写真絵本。
佐々木卓也氏は1975年生まれ。自閉症の障害を持つアーティストだ。粘土、油絵作品にぬきんでた才能を示し、その作品は「芸術新潮」などでもとりあげられるなど、高く評価されている。本書に収められる作品は、氏が10代後半に制作した動物の親子シリーズで、未公開の作品。親子の情愛をテーマに、作家の思春期の複雑な感情の込められた作品群だ。これらの作品を野外撮影し、岸田今日子氏のエスプリのきいた、動物親子の会話を添えて、写真絵本にしたのが本書。 読者のお母さんがたには、一人芝居、あるいは朗読劇のようにして、子どもに読み聞かせてほしい絵本だ。
内容説明
池田満寿夫氏に絶賛された若きアーティスト佐々木卓也。―自閉症という壁を越えて語りかける少年期の作品群。それは、言葉ではいえなかったからこそ生まれた親子たち。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP＠ehon.gohon
13
動物親子を題材にした、佐々木卓也さんの陶芸作品を見ていたら、自閉症という身に置かれた自分から、親に対する思いの発露が形作られているような気がしました。 きっとストレートに会話が成り立たないもどかしさが、作品の混沌に秘められているのでしょう。 少し意地悪にいじった岸田今日子さんの文章が、妙にしっくりする作品集絵本です。2019/06/12
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
12
自閉症の作者が10代の頃に制作。紙粘土で創られた動物の親子の写真に、岸田今日子さんが文を添えている。2020/02/03
