出版社内容情報
思う気持ちは同じなのに、互いの声は届かない…。人々が心に持つ光と影を鋭くみつめ、季節の中で移ろいゆく彼と彼女の心情を、詩情豊かに繊細なタッチで描いたラブストーリー。台湾から世界にヒットした大人向け絵本。ワーナー・ブラザースで映画化された。
ジミー[ジミー]
著・文・その他
宝迫 典子[ホウサコ ノリコ]
著・文・その他
内容説明
同じようにくりかえされる毎日。ときに、やりきれなさがつのる。どこへ行けばいいのか…何をすればいいのか…街には人があふれているのに…孤独…そんな中で、ふたりは出会った。人々が心に持つ光と影を鋭く見つめ、季節の中で移ろいゆく「彼」と「彼女」の心を詩情豊かに、繊細なタッチで描いたせつないラブ・ストーリー。
著者等紹介
ジミー[ジミー][Liao,Jimmy]
台北在住の絵本作家。1998年より絵本の創作を始める。1999年に発表した「向左走・向右走」「聴幾米歌」「月亮忘記了」の3部作は、その驚くべき創造力と叙情的スタイルで台湾に一大絵本ブームを巻き起こした。創作開始から2年で8つもの賞を立て続けに受賞。作品はアメリカ、ドイツ、フランス、ギリシャ、韓国などでも翻訳出版されている
宝迫典子[ホウサコノリコ]
高知県生まれ、埼玉県在住。中国語の新聞やデータを日本語に訳す仕事にたずさわる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
❁かな❁
124
ジミーさんの作品は3作目。今回もすごく良かったです♪読んだ3作品の中で一番好きかも(≧∇≦)左に曲がるのが好きな彼女、右に曲がるのが好きな彼、二人はお互いを想いながらもすれ違っていきます。近距離なのに遠距離恋愛で、しかも携帯もメールもない世界。読み進めながら後少しのところですれ違ってしまう二人に切なかったです。恋する気持ちがわかり、二人にまた出会ってほしくて仕方ありませんでした。ジミーさんらしい言葉と絵でシンプルながらもとても伝わりました☆最後の終わり方が素敵♪ジミーさんの作品は優しくて読後感いいです♡2014/04/12
masa@レビューお休み中
121
君はどこにいるのだろう。探しても探しても、見つけることができない。それどころか、探そうとすればするほど、君が遠くなっていくような気がする。こんなにも君を必要としているのに…。こんなにも君に会いたいと思っているのに…。想いの強さと反比例して、歯車は空回りし続ける。それは、寂しさと悲しさと虚しさを一緒に抱えて生きているのと同じことなんだ。だから、うまくいく訳がないって思っていた。だから、君のような人に出会うこともないと思っていたんだ…。2013/05/07
nico🐬波待ち中
110
もどかしくて切ない恋物語。巡り合うはずのなかった二人の運命的な出逢い。けれど気まぐれな恋の神様の妨害により、二人は近くにいるのにも関わらず逢えなくなってしまう。二人の距離は近くて遠い。そして逢いたくても逢えない時間が二人の恋心を大きくしていく。出逢えたことも、逢えなくなってしまったことも、きっと運命のイタズラ。絵本の同じ頁にいてニアミスする二人を見ると思わず、そこにいるよ、と教えたくなる。逢えなくてジリジリしている二人を見ていると、可哀想で、でも相手を想う真っ直ぐな気持ちの二人が懐かしくて羨ましい。2018/09/27
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
99
彼女には左に行く癖があり、彼には右に行く癖がある。都会の片隅で生きる二つの孤独な魂。彼女と彼は近くて遠い。冬のある日、二人は出会った。心は響き合い、冬は憂鬱な季節ではなくなった。突然の雨の中、慌ただしく電話番号を交換し別れた。身体は冷えたけど心はぽかぽか暖かかった。でも、電話番号を書いたメモは雨に滲んで、電話はつながらなかった……。お互いを思いながら彼女は左へ、彼は右へ。二つの魂は近くて遠い……。台北在住の絵本作家が描く切ないすれ違いのドラマ。純度の高い静謐で叙情的なラブストーリー。2001年10月初版。2015/12/07
masa@レビューお休み中
80
【再読】左に行く癖がある彼女と、右に行く癖がある彼。ふたりの人生はすれ違いだらけ。隣に住んでいるのに会うことも、話すこともなく。ようやく出会えたと思ったら、またすれ違ってしまい…。こんなことは物語の中でしか起こらないこと。そう思うかもしれないが、現実にも十分起こりうる話なんだと思う。大切なものは遠くにあるわけではない。すぐ近くにあって、気づいていないだけなのかもしれない。日常を大切にすること。今を大切にして生きることの大切さを描いているような気がします。2018/03/07