出版社内容情報
巨匠たちが追い求めた「理想の美女」の全て
人の身体が卑しいものとされ人前で語ることがタブー視された中世の束縛から解放されたルネサンス期のイタリアでは、人の身体について公の場で論じることが盛んとなりました。それとともに、旧来の女性像とはまったく異なる多様で豊かな女性観が発達し、巨匠たちが描く女性像にも大きな影響を及ぼしました。その結果、イタリア・ルネサンスは「女性の時代」と称されるほどに、さまざまな女性像であふれています。
本書は、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロ、ボッティチェリ、ラファエロ、ティツィアーノらイタリア・ルネサンスの巨匠たちが追い求めた「理想の美女」の全貌を、数多くの大判で美麗な図版で紹介する画集です。
また、平易な文章で社会的・美術史的・文化史的な背景を掘り下げたテキストと詳細な作品解説によって、ルネサンス絵画の魅力と本質を、一般の読者にも面白くわかりやすく読み解いていきます。
池上 英洋[イケガミ ヒデヒロ]
監修/著・文・その他
内容説明
時には女神、時には聖母や聖女、貞淑な令嬢、家庭婦人、そして時には娼婦…約100人の美女たちによって表された、多様で豊かな「ルネサンス女性像」の真相に迫る画集!
目次
第1章 女神の復活
第2章 優しき聖母
第3章 女性のあるべき姿
第4章 永遠の理想美
第5章 横たわる裸婦の官能美
第6章 美神たちの変容
1 ~ 1件/全1件
- 評価
K’s本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆずこまめ
4
大型本なので、絵の細かい部分を拡大して見せてくれるのがいいです。文章の部分も読み応えあり。表紙はボッティチェリですが、他にもいろいろ紹介されています。個人的には、ティツィアーノの体温まで感じそうな豊満な美女にうっとり。今のスッキリスリムなモデルさんや女優さんには表現できない美しさです。2015/04/05
M
3
ルネサンスがまず文学の分野において、古典文献の翻訳という形で始まったことは忘れてはいけない視点であり、最初のルネサンス画家たるマサッチョも、その作品には古典美術に学んでいることがわかる。また、メディチ家の哲学サークルなどではキリストが復活した理由を「男と女を一つにする」ためとの考える著作がよく読まれており、レオナルドが探し求めた普遍的な理想の人間像はこの思想のひとつの到達点ともいえる。ルネサンス期の作品が普遍性を獲得しえたことは藝術をして自然を超えるものたりうる可能性を追求した作り手らの精神の賜物なのだ。2020/01/21
遊未
3
図書館にネット予約した本で受け取りに行ってビックリ。ここまで大型本とは…見やすく文章もわかりやすく、絵画の細部拡大もあるので、実はミケランジェロの「ピエタ」キリストのお顔を初めて見ることができました。2018/05/16
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