出版社内容情報
与勇輝の作る人形は20?30cmの布製である。いたずら小僧 着物姿の少女 河童 妖精などテーマは豊富で詩情あふれたものであり、すべて与勇輝の生い立ち、思い出のなかから生みだされたものである。自伝的傑作選。
与勇輝の作る人形はすべて20?30cmの布製です。その大きさを作者は「夢のなかにでてくる大きさ」だといいます。その夢のなかには与の生いたち、思い出への視線も含まれているかもしれません。いたずら小僧 着物姿の少女 両親 河童 妖精などすべて作者の自伝的作品群なのです。 8歳のときに終戦を迎えた与の戦後は数多くの日本人と同様貧しさからの出発でした。しかし、作者は同時に自分も含めたたくさんの子どもたちが逞しく、明るく遊び、生きていたのを記憶しています。与えの作る人形には生活は貧しくても心が豊かだった、けなげで凛然とした姿の子どもたちが数多く登場します。そこにファンを魅きつけてやまない与の人形の人気の秘密があるのです。 「私は記憶の中に残っているそれらのことを哀惜の思いを込めながら人形という形にできればと思っている」と作者が語っていますが、本書はそうした与の思いを自伝風に配列し、それに自らが解説を加えた写真集です。80点の作品を眺めると戦後50年を迎える日本の軌跡も見えてくるようです。
目次
第1章 「代表作」―一人歩きする人形たち。
第2章 「幼少年期」―セピア色の思い出。
第3章 「妖精」―いつかどこかで逢える。
第4章 「物語」―異国へのあこがれ。
第5章 「風景」―人間への眼差し。
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