出版社内容情報
中村 幸彦[ナカムラ ユキヒコ]
著・文・その他/翻訳
感想・レビュー
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NAO
72
『東海道中膝栗毛』は、紀行文というよりは、滑稽本の分類に入る。また、道中の地名を読み込んだ狂歌がその特徴でもあるため、狂歌咄ともいえる。粗忽者でなかなかのいたずら者の弥次さん喜多さん。だが結局はいつもいたずらがばれて、赤っ恥をかく。自分たちがいたずらを仕掛けても、相手から仕掛けられても、この二人、相手をやり込めてしまうということがない。いつもやり込められて痛い目に遭うのは二人だ。でも、当人たちは少々めげてもどこまでの能天気ですぐ立ち直る。きっと、そういうところが、この膝栗毛の人気の理由だったに違いない。 2018/11/14