新編日本古典文学全集 〈75〉 近松門左衛門集 2 近松門左衛門

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  • サイズ A5判/ページ数 674p/高さ 24cm
  • 商品コード 9784096580752
  • NDC分類 918
  • Cコード C1393

出版社内容情報

近松の世話浄瑠璃の魅力を存分に伝える心中物と姦通物14編を収載。

元禄十六年に上演された近松の『曾根崎心中』は、大阪で起きた醤油屋の手代と遊女の心中事件を題材に取り入れた人形浄瑠璃。これが大当たりを取り、以後、近松は市井の事件を題材としたいわゆる世話物を作り続け、数々の傑作を生み出します。 「この世のなごり。夜もなごり。死にに行く身をたとふれば……」という情緒てんめんたる道行文の『曾根崎心中』は、人間の破滅の原因を、それまでの世話狂言のように金銭のトラブルに求めないで、男女の一途な愛情ゆえとするという、画期的なアイデアの芝居でした。評判に意を強くした近松は、人間関係の複雑化、主人公の内面性の深化と作劇法に磨きをかけ、リアルな表現や演出に創意工夫を加えていきます。『心中天の網島』『堀川波鼓』『心中宵庚申』『鑓の権三重帷子』など、今でも歌舞伎や映画などでなじみ深いこれら世話物こそは、この天才芝居作者の独創をいかんなく発揮しているものです。 『近松門左衛門集』は(1)と(2)で、近松の世話浄瑠璃全二十四編を収録し、新しい注釈と口語訳を施しました。

鳥越 文蔵[トリゴエ ブンゾウ]
著・文・その他/翻訳

山根 為雄[ヤマネ タメオ]
著・文・その他/翻訳

長友 千代治[ナガトモ チヨジ]
著・文・その他/翻訳

大橋 正叔[オオハシ タダヨシ]
著・文・その他/翻訳

阪口弘之[サカグチヒロユキ]
著・文・その他/翻訳

目次

曾根崎心中
心中二枚絵草紙
与兵衛・おかめ・ひぢりめん 卯月紅葉
跡追心中 卯月の潤色
心中重井筒
高野山女人堂 心中万年草
心中刃は氷の朔日
二郎兵衛・おきさ 今宮の心中
嘉平次・おさが 生玉心中
紙屋治兵衛・きいの国や小はる 心中天の網島
心中宵庚申
堀川波鼓
大経師昔暦
鑓の権三重帷子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syota

31
「第12回日本の古典を読む」参加のため『曽根崎心中』『心中天の網島』を読了。何と言っても近松の文章がすごい。ほれぼれするような名調子。日本語はかつて、こんなにもリズミカルだったのか。内容的には、『曽根崎心中』が男のメンツを立てるため心中に向けて一気に突き進むのに対し、『心中天の網島』では女同士の思いやりと義理が絡み、登場人物の心の動きがより複雑になっている。浄瑠璃や歌舞伎で観るなら話は別だが、文字で読むには『天の網島』の方が読み応えがあった。2017/12/18

てれまこし

11
曽根崎心中では敵役の奸計が心中を正当化したが、時代を経るにつれて近松物の登場人物は自業自得で心中に追い込まれる話が多くなる。敵役は余計になってくる。自らの弱さによって過ちを犯した者たちの末路が同じような同情をもって描かれる。「大経師昔暦」では心中し損ねた者さえ同情の対象になる。人情を深く掘り下げていった近松は、義理を通せない人間の弱さも人々の共感を呼びうると考えるようになったらしい。かといって義理対人情というわけではなく、相反する義理に挟まれて二進も三進も行かなくなるような運命に翻弄される人間への共感。2020/10/05

カザリ

11
大学時代に歌舞伎の授業で観て以来、曾根崎文楽ヨウツベで観ながらめくる。人形の動かしかたもすごいけれど、なにより言葉の力がすごい。太夫がゆっくり声にだしてくれる曾根崎の冒頭はまさに、名文で語るための言葉。美しい。。覚えたい!!日本語の美しい名文はいつも語ってきかせる浄瑠璃や歌舞伎のなかにある。だからこそ、古典芸能のセリフに惹かれる自分にいまさらながら、気づく。もっと早くよめばよかった。。2014/05/24

がちゃこ

0
角田光代の曾根崎心中を読んで、近松門左衛門読んでみました。原文と解説と訳と、教科書のようでした。なるほど…原文は音読すると雰囲気があります。今度は浄瑠璃で聞いてみたいものです。2012/07/27

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