土の中に日本があった―登呂遺跡から始まった発掘人生

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784096263235
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0021

出版社内容情報

発掘とは、真実の歴史を知ることだった

満86歳の今も現役の考古学者として活躍する著者が、みずからの考古学人生を語ります。
著者はまず、自らが考古学を志した原点を語ります。海軍時代に乗っていた船が米国潜水艦によって撃沈され、夜の海を漂流。著者は死の淵をさまよいながら、「神国日本は最後は必ず勝つ」という歴史教育の嘘を実感し、生きて帰れたら真実の歴史を学ぼうと決意したのです。
戦争が終わり、日本に無事帰国した著者は、真実の歴史を学ぼうと明治大学に入学。社会全体にも「真実の古代史」を求める熱気があふれ、戦後すぐの静岡県登呂遺跡発掘には、現在では想像もつかないほどの注目が集まります。著者は、登呂遺跡発掘に参加したことを契機に、考古学の道を進むことを決意します。
そして一途に考古学研究を続け、数多くの遺跡の発掘調査に携わり、古墳研究を中心に多大な業績をあげてきました。1973年には、茨城の虎塚古墳で壁画を発見。東日本での壁画古墳の発見は、画期的なできごとでした。
こうした著者の歩みは戦後考古学の歩みそのものであり、著者にしか語れない貴重なエピソードが満載です。そこからは、戦後の人々が考古学に抱いた夢と希望が伝わってきます。

内容説明

考古学を志す原点となった戦争時の漂流体験、国民的事業だった登呂遺跡発掘、画期的な東日本での壁画古墳発見…。研究者生活60年をむかえる著者が語る戦後考古学の熱き日々とわが人生。

目次

勲章と戦争時の悪夢―まえがきにかえて
第1章 米潜水艦に撃沈される―私が考古学者になった理由
第2章 土の中の真実を掘る―思い出に残る発掘
第3章 古墳研究の道―東日本での壁画古墳発見
第4章 人々の支えで生きる―諦めるのは愚か者の結論
作家・五木寛之さんの生きるということ―あとがきにかえて

著者等紹介

大塚初重[オオツカハツシゲ]
1926年東京生まれ。文学博士。明治大学名誉教授。専門は弥生時代と古墳時代全般。日本考古学協会会長、日本学術会議会員、山梨県立考古博物館館長、山梨県埋蔵文化財センター所長、登呂遺跡再整備検討委員会委員長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

にがうり

16
著者の講演会を聴きに行ったことがある。話上手なお茶目なおじいちゃんで、いっぺんにファンになったが、本書で衝撃を受けた。考古学を志したのは、太平洋戦争末期に輸送船が撃沈され、東シナ海を漂流していたときだという。日本は神の国。いざとなれば神風が吹く。信じて疑わなかった日本の歴史は何だったのか。生きて帰れたら、真実の日本の歴史を学び直したい。著者が発掘調査に参加した登呂遺跡をはじめ、考古学は日本の国家のなりたちの研究でもある。どのようにして国ができ、戦争に突入して、今があるのか。深く考えさせられる。 2017/10/28

やま

1
壮絶な戦争体験や、戦後の遺跡発掘、学問に真摯に向き合った熱い思いが伝わってきます。2013/09/01

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