出版社内容情報
1200年の歴史の積み重ねが京都の町に蓄えた、様々な怪異・怪談・因縁・伝説の数々。丹念な取材と豊富な図版による21の魔界が明かす、もう一つの京都。
「平安」の都として造営されてから1200年あまり。しかし京都の歴史は、延々と繰り返された争闘殺伐による陰惨な流血と怨念抜きには語れません。たとえば今、堤防に若いカップルが等間隔で腰を下ろす鴨川。行楽の人出でいつもにぎわうその河原は、保元の乱以来、豊臣秀次の妻子・愛妾その他一族郎党の斬首を経て幕末まで、おびただしい量の血が流れ続けた処刑場。数知れぬ生首がさらされました。また、夏の京都情緒を代表する祗園祭は、政争に敗れ、罪なき咎を受けた者たちが怨念から恐ろしい祟り神と化し、疫病や災害で都に大量死をもたらしたことへの鎮魂の祈りに始まります。権謀術数渦巻く政争に憤死した者たちの怨念、ままならぬ世に燃え上がる愛欲の黒い炎、さまざまに飛び交って害をなす生霊・死霊や祟り神。こういったこの世ならざる者たちの魔の爪痕、そして祟り神へのおそれと鎮魂。更には祟り神に祈願し、自らの福に転じてしまおうという、したたかな京都人の祈り。本書では、これら古都に潜む歴史の闇を、洗練された日本美を代表する世界の観光都市、京都のそこここから、21の魔景として抽出し、絵解き案内します。本当は怖かったもう一つの京都を歩くための、裏ガイドブックです。
内容説明
だれも知らない、だれも教えてくれない、もう一つの京都を歩く。1200年の歳月、数知れない人と事件と思い…謎と神秘に満ちた、京都21の魔景をのぞく旅。
目次
造都の魔景―新都の夢を挫析させた怨念
鬼門の魔景―猿は今も人知れず悪神を封じる
荒廃の魔景―百鬼夜行の平安京のシンボル
処刑の魔景―鴨の河原に吸われ続けた血
祭礼の魔景―荒ぶる崇り神、恐怖の爪あと
陰陽の魔景―魔界を操るスーパースターたち
六道の魔景―冥界に通じる井戸と招魂の鐘
怪異の魔景―闇の虚空に飛びかう物の怪
愛欲の魔景―抑えがたく燃えあがる嫉妬の炎
天空の魔景―王城鎮護の大将軍は黄昏に輝く〔ほか〕
感想・レビュー
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ぴょこたん
とと220
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)