出版社内容情報
「都市」は今日の日本文化を解くキーワードとなっている。オカルトブーム、水子霊の復活、イベント化して年々盛大に行われる「祭り」…。世紀末的な現象から、孤独な都市生活者の心のよりどころを探る都市民族文化論。
◆目 次◆◆◆
都市生活者と「心なおし」
Ⅰ 夢と現実のはざま
(一)世紀末の前兆 自殺・行方不明・特殊犯罪の世相/無縁仏・占いブーム/江戸の世紀末/江戸・東京の終末観
(二)都市型犯罪の世相史 犯罪の民俗的心意/都市の「留民」と犯罪/通り魔の系譜/子供と家庭と犯罪/都市の「異人」と犯罪
(三)都市生活者の妄想 不思議な事件/迷信の流行/子供と老人の想い/「前世」への憧憬/昔話の中の「前世」と現代の「前世」/迷信の合理化
(四)「水子霊}の復活 「水子」の発生/「水子」の概念/現代の「水子」
(五)「ふるさと」のよみがえり 寅さんに託す夢/“妹さくら”の力/寅さん世界の幻想/流行歌の中の「ふるさと」観/外からの故郷賛歌/都市生活者の想い/都市の祭り
Ⅱ 都市生活者の原風景
(一)都市にとっての田舎 イナカとマチ/町の多様性/「都市と田舎」のもたれあい
(二)都市化と民俗 喪服の色/農村と都市化/『日和下駄』の世界/山視点/異界との交流/異物・ケガレ・排除のテーマ
(二)セコ・ハンの活用 民俗の二次的活用/現代マツリの効用
(三)“新しい民俗研究”の流れ 都市への視点/心のゆくえをとらえる
あとがき
内容説明
都市民俗学から探る都市に生活する人々の心のうち。オカルトブーム、水子霊の復活、新・新宗教―。なぜ、これらが人々の心をとらえるのか。
目次
1 夢と現実のはざま(世紀末の前兆;都市型犯罪の世相史;都市生活者の妄想;「水子霊」の復活;「ふるさと」のよみがえり)
2 都市生活者の原風景(都市にとっての田舎;都市化と民俗;都市生活者の心意)
3 「ふるさと」観のゆくえ―日系移民に探る(日系人の民俗誌;移民にとっての「ふるさと」;「くに」とふるさと)
4 現代都市社会の再生を求めて(現代フォークロアの発見;セコ・ハンの活用;“新しい民俗研究”の流れ)