出版社内容情報
縄文人たちは、丸木舟で荒海を乗り越え、北は北海道・樺太から南は沖縄諸島にいたる日本列島のすみずみまで交易をしていた。縄文時代の交流・交易の実態をさぐり、縄文人の地域社会にも迫る画期的な縄文列島史。
最近、日本列島の最北端、北海道礼文島から、ヒスイ大珠や南海産タカラガイなどの装身具を帯びた縄文人の人骨が発掘され、話題になった。ヒスイは、いうまでもなく北陸地方、糸魚川周辺でしか産出がなく、南海産の貝も西日本でしか捕れない。これらはいずれも、対馬暖流に乗って丸木舟でえんえんと運ばれたと考えられる。 このようにヒスイは、縄文時代、青森県、北海道に運ばれたのみならず、南は鹿児島県種子島、さらに遠く、黒潮を乗り越えて沖縄諸島にまで運ばれていることが、しだいに明らかにされてきた。 ヒスイや貝だけではない。黒曜石、アスファルト、土器、呪具にいたるさまざまなものが、日本列島のすみずみにまで運ばれ、縄文時代すでに、複雑な交流網(ミチ)ができあがっていたのではないか、とさえ考えられるようになってきた。 本書は、こうした縄文人たちの交流・交易の実態をとおして、縄文時代の地域社会や生活に迫った、初めての縄文列島史といえる。 日本列島の縄文人たちが、今ようやく、重い口をひらき、自分たちの歴史について語りはじめたのである。
内容説明
縄文人たちは、丸木舟で荒海を越え、北は北海道・樺太から南は沖縄諸島にいたる日本列島のすみずみまで、交易をしていた。縄文時代の交流・交易の実態をさぐり、縄文人の社会と生活に迫る、初めての画期的な縄文列島史。
目次
序論 海からの贈り物―海産物の交流・交易を中心に
北からの道―シベリア・サハリン・千島列島と北海道
北の道・南の道―津軽海峡をめぐる交流
内陸の道―峠の旅人
黒潮圏の交流文化―列島をめぐる交流・交易
日本海の海人文化と交流路
南の海の道と交流―南九州と南島の交流・交易を中心に