出版社内容情報
真骨頂のアールヌーボー調マット釉(艶消し)葆光彩磁と薄肉彫りを中心に原寸大部分図、展開写真で全貌が鑑賞できる。
内容説明
アール・ヌーヴォー陶芸の先駆者・HAZAN。不朽の名作群とドラマチックで気高き生涯。初公開作品収録。
目次
近代陶芸の精華
板谷波山の人的交流
板谷波山の「美」
板谷波山の生涯
超絶した美を求めて
板谷波山年譜
波山作品所蔵美術館・施設
著者等紹介
荒川正明[アラカワマサアキ]
1961年茨城県高萩市に生まれる。’84年学習院大学文学部哲学科(美術史専攻)卒業。’87年同大学院(人文科学専攻)修士課程修了。現在、出光美術館学芸員、日本大学文理学部・学習院大学文学部非常勤講師。日本陶磁史専攻。’94年(茨城県近代美術館)、’96年(東京国立近代美術館工芸館)、2001年(出光美術館)の「板谷波山展」のほか企画展覧会を多数手がける。主な論文に「近代陶芸における装飾意匠の改革―板谷波山の作陶を中心として」『美術史』138号(’95年)、「陶芸における世紀末様式―19世紀末の西洋と日本の美術陶磁の交流」『出光美術館紀要』1号(’95年)、「日本陶磁に描かれた花鳥文様―中世刻画文陶器を中心として」『東洋陶磁器』29号(2000年)、主な共編・共著に「出光美術館蔵品図録・板谷波山」(’88年)、「色絵絢爛」(’96年)、「日本美術館」(’97年)、「日本やきもの史」(’98年)などがある
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感想・レビュー
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うなぎ
9
なんでも鑑定団で7000万円の作品が出て、びっくりしたので再読。作品の写真だけパラパラ見。陶芸を民芸から芸術へ昇華した陶聖と呼ばれる板谷波山。淡い光に包まれたように濡れて輝く葆光彩磁器シリーズのやわらかな美しさ、翡翠、辰砂、月長石、瑠璃で作ったのかと錯覚するまでの色彩の妙、植物や生き物をモチーフにしたため息をつくばかりの造形美。陶芸を知らない人が見ても誰もが惚れ惚れするだろう美しい作品群。眺めるだけで癒し。2018/04/11
いくっち@読書リハビリ中
5
泉屋博古館開催「没後50年回顧展 板谷波山 光を包む美しきやきもの」展へ行く。葆光彩磁と呼ばれる板谷独特の光を包んだやきものも、この表紙のような彫刻を施した白磁も人生を追って美しさを生み出す元をたどれたような気がした。2014/08/17
misui
3
明治時代、当時西欧で生まれた「釉下彩」という釉薬をかける前の素地に彩色する技法を取り入れ、霞がかったような幻想的なの質感の「葆光彩磁」を完成させた。また、彫刻やアールヌーヴォーを意匠に採用して個性の強い作風を確立し、それまでの「職人」から「陶芸家」への転換を果たしたことで近代陶芸の祖とされる。2015/10/31
Noburin
0
Feb.2/20132013/02/02