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出版社内容情報
国宝『源氏物語絵巻』全19点を実物大で紹介し、その魅力に迫ります。
『源氏物語絵巻』は、もとは100図を超える長大なものだったといわれますが、現在残っているのは19図のみです。しかし、残された絵には、物語に記された主人公たちの細やかな感情、平安時代の高い絵画技術、作画方法から、王朝貴族たちの日々の生活や楽しみなど、驚くほどさまざまな情報が詰まっています。 本書は現存する19図すべてを実物大で紹介し、絵巻が放つ情報を豊富な図版とイラストによって、わかりやすく解説しています。また、随所に登場人物の解説と巻末にあらすじをつけてありますので、物語を読んでいない人でも楽しめます。知っているようで知らない『源氏物語絵巻』を見て、絵巻に触れる楽しみを味わってください。
佐野 みどり[サノ ミドリ]
著・文・その他
内容説明
王朝貴族のみやびな生活、人びとの愛と悲しみ、別れ、嫉妬を画面から読みとく。国宝の絵巻すべてを実物大で紹介。
目次
実物大図版(蓬生;関屋 ほか)
絵巻を味わう(悲しみの人々;秘められた関係 ほか)
特集(物語と書のかたち;美しい料紙 ほか)
基本を知る(絵巻の時間;吹抜屋台の手法 ほか)
絵巻は語る(建築と庭;調度としつらい ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
275
著者の佐野みどり氏は日本美術史の研究者で絵巻がご専門。『源氏物語絵巻』の成立は12世紀中頃、いわゆる院政期であるとされている。もともとは全54帖のすべてがあったのだろうが、現存するのはおよそ1/3くらいである。しかも、本書の冒頭ちかくに紹介される「関屋」などは損傷も激しい。一方で「鈴虫」や「竹河」などのように比較的状態の良い巻も残されている。いずれにせよ王朝期の貴族社会の風俗資料としては第1級のものである。ここから「雅び」や「もののあはれ」を感得できるかといえば、そうでもあり、そうでもないと微妙なところ。2024/07/02
たまきら
25
書庫整理中。昔仕事で源氏物語について調べていた時に購入した一冊です。宮廷文化の雅さがあまり好みではない武骨な関東出身の自分ですが、この絵巻から読み取ることができるものの層の厚さ、気づかせてくれる著者の文章に感動したものです。2020/05/28
Sosseki
3
各帖に1から3の絵巻があったと思われると言うのだから、凄い事業だ。誰が作らせたのだろう。失われてしまったのもあるというから惜しいことだが、現存していること自体が凄いことだ!色褪せているが、さぞきらびやかっただろうと想像する。2024/04/06
あいくん
3
☆☆☆平安貴族の生活の様子などがビジュアルにわかります。人物の配置に注目してみると、登場人物の切ない心の動きが読みとれます。「源氏物語」のあらすじが人物系図とともに収められています。わかりやすいあらすじです。「源氏物語の京都」というこことで、京都で文学散歩として行きたいところが紹介されています。清水寺、平安神宮、仁和寺、平等院、宇治市源氏物語ミュージアムは行ったことがありまずが、再訪したいです。東寺、風俗博物館、京都御所、京都文化博物館、上賀茂神社、鞍馬寺、宇治神社なども行ってみたい場所です。 2013/01/19
の
3
斬新な解釈や驚いた秘話こそありませんでしたが、だからこそ文学・芸術学入門には最適でした。絵が意味する当時の人物像や、全体の流れを知った上での細かな部分注釈、現代にしてみれば考えられないような大胆な構図から受ける印象など、少ないページでしたが内容は盛りだくさん。2010/10/09




