出版社内容情報
ピアスをした国王の肖像画、19世紀にヨーロッパで大流行したキモノなどを名画はさりげなく描いている。しかしその裏には意外な事実が秘められている。美術史と服飾史を専門とする著者による名画の新しい鑑賞ガイド。
深井 晃子[フカイ アキコ]
著・文・その他
内容説明
名画中の人物のコスチューム、アクセサリー、インテリアはその社会的地位、心理までも表現している。今までの美術書では無視されてきたこれらの点をファッションを中心としてガイドする。
目次
1章 究極のお洒落
2章 近世の伊達ものたち
3章 美の女神たち
4章 パリとモデルニテ
5章 近代化の光と陰
6章 小さな天使たち
7章 異境への夢
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はなはな
9
名画で描かれたコスチュームから、当時の衣装、文化の流行や、社会状況の概略を解説してます。何度も目にする絵をいつもと違う視点で鑑賞できて面白かった。2014/11/09
ゆずこまめ
7
ファッションという身近なところから観る美術。王侯貴族、ブルジョア、庶民、それぞれに魅力的。魅力的なファッションを魅力的に描いた画家達の筆も素晴らしい。2015/05/10
さとちゃん
6
今月初めから読み始めたファッション関係の本が難しくて、つい箸休めにと手を出した本書。深井晃子氏の著書は外れなし、ですね。布の質感、光沢、レースの繊細さ、宝飾品。どうしてその選択だったのか、どのように描かれたのか、適度にコンパクトにまとめて解説してあり、ふむふむ、と読み進められました。1999年刊です。2023/11/28
安国寺@灯れ松明の火
6
ファッションはまったく興味のない世界でしたが、名画と組み合わせると意外に興味深く、引き込まれました。「美しく、強く、あるいは金持ちに見られたいと様々な思いを託された服装の、豪華な絹織物や清潔な下着、贅沢な宝飾品を本物どおり、時には少しだけ見栄えよく描かなければ、画家失格だった」(あとがきより)。近代になれば豪華さや贅沢さばかりでもなくなってくるものの、虚実がバランスよく混在する画家の視点ならではの面白さは依然として垣間見れるような気がします。2010/07/17
m
5
ファッションから見る名画。着眼点が新鮮で面白い。ゴヤのアルバ公爵夫人は美人と言えるのか。印象派の絵もたくさん載っていて良かった。2021/06/03