出版社内容情報
阿修羅像など天平仏の粋と正倉院宝物
平城京を舞台に、聖武天皇(在位729?747年)の下で開花した天平美術。彫刻においては、東大寺・不空羂索観音菩薩立像、興福寺・阿修羅像、唐招提寺・鑑真和上坐像などに代表される乾漆造をはじめとする高度な技術により優美で精神性の高い作例が数多く生み出されました。絵画は現存する作例は少ないものの、盛唐絵画の緻密な構成、濃密な彩色を豊かに受け継いでいます。さらに工芸では、螺鈿紫檀五絃琵琶や鳥毛立女屏風など正倉院宝物に代表される、優れた招来品の数々とシルクロードを経て伝わった技術に基づく国産の名品があります。本巻では、東大寺・法華堂や唐招提寺・金堂など近年の修復・科学調査の成果や、東大寺・盧舎那仏(大仏)建立にまつわる華厳経および新羅の思想的・造形的影響などアジア的な視点も踏まえ、天平美術の名品を網羅するとともにその全貌を概観します。
浅井 和春[アサイ カズハル]
監修
杉本 一樹[スギモト カズキ]
著・文・その他
川瀬由照[カワセ ヨシテル]
著・文・その他
朴 亨國[パク ヒョングク]
著・文・その他
内容説明
東大寺・不空羂索観音像、興福寺・阿修羅像、唐招提寺・鑑真和上像など天平諸像の名品と、鳥毛立女屏風や螺鈿紫檀五絃琵琶など正倉院が誇る宝物の数々を収載。近年の修復・調査に基づく新しい知見を集成し、アジア的な視点もふまえ、天平美術の全貌を概観します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風に吹かれて
17
「何よりも「教え」を体現する存在としての風貌」(p169)を求められた仏像。見つめていると「教え」が伝わってきそうな存在感が、確かにある。「教え」を永続的に伝えるとは、誓願する人びとがいてこそ、と思う。 7世紀末から8世紀前半にさまざまあった仏教の教学について、まったく疎く、像ひとつひとつの宗教的な意味合いはわからないのだが、唐招提寺を創設した鑑真和上の坐像は、いつ見ても日常の喧騒や苛立ちを鎮めてくれそうで、その表情に見入ってしまう。 →2025/05/19
Hiroki
2
文京区立図書館 これも奈良旅行のおさらい。時間がある限り見入ってしまう。際限がないわ。これ一冊の重量が2.5㎏、何だかんだで5㎏超を手に持ち、リュックにはCD10枚と書籍3冊で帰宅したら、ツレアイが呆れてた。2024/05/26
SK
2
大きく綺麗な写真で、正倉院宝物や仏像などを味わえる。2021/10/16