出版社内容情報
19世紀初めのヨーロッパは、イギリスの産業革命とフランス革命の 後をうけ、都市が繁栄し、芸術文化活動が華やかに展開する。 現実 の事件や戦争、歴史と物語などに題材を得たジェリコーやドラクロ ワ、詩情豊かな風景画を描いたターナー、幻想味あふれるフリードリ ヒなどヨーロッパ、アメリカを含む西欧社会の激動の中で、人間の個 性が躍動するロマン主義美術を集大成する。
高階 秀爾[タカシナ シュウジ]
著・文・その他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
269
この巻は「ロマン派」。ドラクロワがまず念頭に浮かぶが、ジェリコーが巻頭。そしてドラクロワと続く。ジェリコの「メデューズ号の筏」にしても、ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」にしても、題材も構図もことさらにドラマティックであろうとするかのようだ。後はルネサンスの再現のような絵が目に付くのと、ドーザの「カタリナ修道院」のようなスーパーリアリズム、そしてオリエンタリズムがやはり特徴的か。それ以外では印象派を先取りしたようなターナーの光の表現、フリードリヒの透徹してクールな虚無感に魅かれるものがある。2024/02/05
KAZOO
102
この巻は世界各国のロマン主義の絵画、建築、彫刻が収められています。ジェリコー、ドラクロワ、ターナー、コンスタブル、フリードリヒなどが中心です。スペイン、ロシア、東欧の作家の珍しい作品もあります。2017/02/11
白義
8
革命やナポレオンを通過したヨーロッパに吹き荒れる、文化史上の旋風、ロマン主義の動的で迫力ある激しさを一望できる全集。特に崇高という概念のもとにまとめられるカスパー・ダヴィット・フリードリヒやターナー、マーティン、トマス・コールの風景画が圧巻。ロマン主義の代表選手、ドラクロワのちぎれ飛ばんばかりに捻れた身体や大歴史的情景も息を飲む出来。写実主義に近いのもあれば、後のファンタジー文化のルーツやその再発見的な作品もあって、ロマン主義というのもかなり多義的な概念だと思った2013/02/03
へんかんへん
1
ユゴー、ジェリコー、ドラクロア、ターナー2014/08/23