出版社内容情報
18世紀フランス宮廷を中心に、ヨーロッパ各国に花開いたロココ美 術。ヴァトー、フラゴナール、ブーシェ、ティエーポロらの名画やセ ーブル、マイセンの磁器など830点余を収録。その華麗で甘美な全 貌を紹介する。
坂本 満[サカモト ミツル]
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内容説明
神の時代が終わり、人間たちの時代がやって来る。ブーシェの白桃色の肌、フラゴナールの戯れ、ヴァトーのさざめき、シャルダンの静謐、ティエーポロの甘美な幻想、ホガースの風刺、そして食卓を飾るセーヴルやマイセンの磁器。18世紀ヨーロッパ各国で華麗に開いたロココの名花830点余を収録。
目次
序論 18世紀のヨーロッパ文化
第1章 フランス・ロココの絵画
第2章 フランス・ロココの建築と建築装飾
第3章 フランス・ロココの彫刻と工芸
第4章 イギリスのロココ
第5章 イタリアのロココ
第6章 イベリア半島のロココ
第7章 18世紀の中部ヨーロッパ美術
第8章 18世紀前半のロシア美術
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
261
中学生の時に最初に購入した美術選集の第1回配本がヴァトーとフラゴナールだった。画集はいつの間にか手元からは消えたが、ヴァトーの『シテール島への巡礼』とフラゴナールの『ブランコ』がそれぞれの代表作として掲げられていたのを今でも覚えている。したがって、ロココの絵画には思い出は深いのだが、その後は関心の外に行ってしまって久しい。今あらためて見ても、これはこれとしての良さと18世紀らしさとがあるとは思うが、この先にはある種の行き止まり感を持たざるを得ないような気がするのである。2024/03/25
KAZOO
117
ここではロココ芸術についてかなり細かいところまでの説明がなされています。フランスの絵画、建築、建築装飾、彫刻、工芸やイギリス、イタリア、イベリア半島のロココについても紹介されています。建物や装飾に特にゴージャスなものが多くみられる気がしました。また18世紀の中部ヨーロッパやロシアの美術についても触れられています。2017/02/05
おがわ
2
新古典主義代替記録・アングルのラファエロ熱・偉大な芸術家のイメージの台頭、死の床の芸術家・新古典主義とその経済的バックグラウンドとしての宮廷文化・18c後半、顧客がブルジョワに拡大、宮廷の保護による安閑とした製作からの移行・19世紀、過去への考古学・歴史学的関心、実証主義による再現2022/10/29
kaz
1
豊富、かつ大きな図版が嬉しい。絵の細部まで観察することができる。ロココと言っても、フランス、イギリス、イタリア、イベリア半島でそれぞれ趣きが異なる。フランスとイギリスとでは、美化された写実性が強いくらいしか共通しないのではないか。絵の持つ雰囲気はけっこう異なる。ひょっとすると、ブーシェやフラゴナールが極端に際立っていると考えるべきか。紹介されているのは、ヴァトー、シャルダン、ブーシェ、フラゴナール、レノルズ等。 2021/01/23
へんかんへん
1
ピトレスク 聖骸布に包まれたキリスト2014/09/08